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PHEV ブログ

アウトランダーPHEV乗りのブログです(自称 発売以来PHEVを最も長く乗り続けている男の1人)

プリウスPHVは、米国の方が60万円も安く買えるという事実

凄く興味深いプリウスPHV米国の方が安く買えるという事実
が日経テクノロジー紙に。


 トヨタ自動車が2017年2月に日本で発売したプラグインハイブリッド車(PHEV)「プリウスPHV( 米国名はPrius Prime)」。先だって発売した米国版に比べて、実質的な購入価格が大幅に高かった。米国では、戦略的に安くしたことになる。環境対応車で世界を先導した自負がありながら、米国で苦汁を飲んだ過去を払拭する。

新型プリウスPHV NYニューヨークデビュー プリウスプライム

 プリウスPHVの外観
米国で2016年末、日本で2017年2月に発売した。電気自動車(EV)として走行できる距離を先代に比べて約2.6倍の68.2kmに延ばした。愛知県・堤工場で生産する。

 2代目となるプリウスPHVの日本における販売価格は約326万円から。米国では装備が少し違うが、2万7100ドル(1ドル=112円換算で約300万円)からと安い(表)。補助金を引くと、米国の実質価格は約2万2600ドル(約253万円)と大幅に安くなる。
プリウスPHV 日米価格差比較

表 米国と日本で発売するプリウスPHVの主な違い
 米国におけるハイブリッド車(HEV)「プリウス」の価格は約2万4700ドル(約277万円)。リチウムイオン電池の容量が10倍以上大きなPHEVの方が、HEVより安く買えるわけだ。「意欲的な価格で、米国の消費者ならばプリウスではなくプリウスPHVを選ぶのが妥当」(IHSグローバルプリンシパルアナリストの波多野通氏)といえる。米国でプリウスが売れなくなるのを覚悟の上で、PHEVを普及させようというトヨタの強い意気込みが読み取れる。

 背景にあるのが、米国カリフォルニア州などの10州が採用するZEV(Zero Emission Vehicle)規制である。トヨタはZEV規制で苦い経験を味わった。

 1997年にプリウスを発売して以降、トヨタには環境対応車で世界の先頭を走ってきた自負がある。だが厳しくなるZEV規制によって、2014年にトヨタは規制に達しない分のクレジットを他社などから購入する、事実上の“罰金”を支払う事態に陥った。同規制の枠組みの中で、トヨタは環境対応車の開発に遅れた企業と見なされたわけだ。各社が2017年末に発売する「2018年モデル」の車両から、HEVはZEV規制の対象車種から完全に外れる。米国でプリウスPHVに戦略的な価格をつけて普及させることで、雪辱を果たす。

米国のZEV

トヨタはZEV規制で苦い経験
2014年モデルの車両を対象にしたZEVのクレジットのやり取りを示した。クレジットを最も稼いだのはEVのみを販売する米Tesla社である。1クレジットの価格は、メーカー同士でやり取りする場合は交渉で価格を決める。カリフォルニア州大気資源局の資料を基にIHS Markit Automotiveが作成した。




これはビックリです。この値段差はでかいです。
米国のZEVの意味を理解するのにも役立つ記事でした。

アウトランダーPHEV VS プリウスPHV

➡︎◻︎プリウス新型PHV開発者談に見るアウトランダーPHEVの良し悪し

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プリウスPHV推しのトヨタはディーラーに急速充電器を置いて欲しい!

今回のトヨタのプリウスPHVと、
その弱点について述べているものがあったのでご紹介します。



■普通のプリウスとほとんど変わらなかった旧型

旧型が売れなかった理由はさまざまだが、最大のネガティブファクターは、ノーマルプリウスより価格が大幅に高いにもかかわらず、見た目も使い勝手も普通のプリウスとほとんど変わらなかったことだ。満充電でのEV航続距離がオンロードで20km程度と短いうえ、強めに加速するとエンジンがかかる。EV走行分がドーピングされた平均燃費計の素晴らしい数字は一部のエコマニアの心をくすぐるかもしれないが、ただそれだけという車であった。
恋する充電プリウス
(先代プリウスPHVのTVCM)

■航続距離、パワー感、充電方式の改善

顧客からの不満はよほどのものだったのであろう。今回発売された新型プリウスPHVでトヨタ関係者が一番力説していたのは、そのEV性能の抜本的改善だった
PHEVの特徴であるEV走行の部分が大幅に強化された。バッテリーの容量は旧型の4.4kWhから8.8kWhへと倍増。EV航続距離は旧型がJC08モード走行時で26.4kmにすぎなかったのに対して同68.2km、スポーツタイヤを装着しても55.2kmと2倍以上に。計測条件の厳しいアメリカの公称値でも25マイル(約40km)に達している。満充電でスタートした場合、都市走行でも2時間前後のEV走行は十分に期待できる。この一点だけでも新型プリウスPHVは旧型に比べて格段にEVらしくなったと言えよう。
新型プリウスPHV TVCM
(新型プリウスPHVのTVCM)➡︎◻︎プリウスPHV TVCMについての記述
航続距離だけではない。充電方式も旧型が交流200V普通充電のみだったのに対し、EVの国内標準規格であるChaDeMo急速充電と家庭用の100V充電の3方式に対応したことも、トヨタ関係者が強調していたポイントだった。遠出のとき、途中でバッテリーの残量が下限に達しても、急速充電20分でフル充電の80%まで回復させることができ、再びEV走行することができるようになったのだ。

モーターパワーも増強された。現在販売されているプリウスの第4世代モデルのシステムに手を加え、強めの加速のときには通常の走行用モーター(53kW)に加え、普段は発電機として使われているもうひとつのモーター(23kW)も走行に使えるように改良した。

旧型のモーターは60kWと数値的には新型より強力だったが、バッテリーだけではそのフルパワーを出すことができず、実際に走ってみるとエンジンがかかるケースが多かった。北米モデルのスペックシートによれば、新型の場合、バッテリーだけで最大68kWの出力を確保できるらしい。

昨年夏、新型の試作モデルを千葉のクローズドコース、袖ヶ浦フォレストウェイでドライブする機会があったが、サーキットのストレートでもAT車であればキックダウンするくらいまでアクセルを踏み込まないとエンジンはかからなかった。

航続距離、パワー感、充電方式の3点で、新型プリウスPHVの“EV度”は旧型とは比較にならないくらいに向上した。ノーマルのプリウスと差別化された外観とあいまって、商品力は大きく向上したと言える。価格は上級モデルになると400万円をゆうに超えるなど、いまだにかなり高いが、旧型に比べると売れるポテンシャルはかなり向上したとみていいだろう。


■エコカー以外の付加価値はあるのか

ただ、新型プリウスにも死角がないわけではない。ひとつはプリウス=エコカーの代名詞という、トヨタが築いたブランドイメージに自ら縛られてしまい、エコカーであること以外の付加価値が薄いこと。


たとえば動力性能。大電力を出せる大型バッテリーを積んでいるのだから、ハイブリッド出力をノーマルプリウスよりも高くして、走りの良さをドライバーに感じさせることはまったく難しいことではない。だが、トヨタはあくまでノーマルプリウスと同じ数値に収めた。
トヨタ新型プリウスPHV EVモード

先に新型プリウスのドライバビリティについて良好と書いたが、EV走行能力が増したこと以外についてはほとんどノーインプレッションで、ごく普通の車という域を脱するものではなかったのも事実。エコという枠を取り払ってみると、この程度のドライビングプレジャーで400万円は高いと感じたのも正直なところだ。

関係者によれば、重量増になってもJC08モード燃費でノーマルプリウスを下回ることは許されないという方針から、パワー側にリソースを振り向ける余裕がなかったということらしい。せっかくいろいろな部分を変えたのに、エコを商品作りの最上位に置くという点については旧型プリウスPHVとポリシーがまったく変わっていないのだ。いっそ、プリウス一族からPHEVを切り離してしまったほうが、エコとその他の要素のバランスが取れたPHEVを自由に作れた可能性もある。

もうひとつ気になるのはサービス。新型プリウスPHVはハードウェアの面ではバッテリー容量を8.8kWhに増やし、急速充電にも対応するなど、EVライフを部分的に楽しめる仕様になっている。しかし、インフラ側がそれを顧客に楽しませるようになっていない。

トヨタは旧型プリウスPHVの発売をきっかけに、全国の販売店に普通充電器を約4200基設置した。だが、EVをほとんど手がけてこなかったこともあって、急速充電器については数基しか設置していない。新型プリウスPHEVは急速充電に対応しているのだが、今後の展開については「お客様のご要望をきいてから検討する」(トヨタ関係者)という段階にとどまっている。


■インフラ整備を他人任せでいいのか

ユーザーサービスがないわけではない。新型プリウスPHVを購入した顧客は月会費なしで急速充電器を1分あたり税込み16.2円、すなわち20分324円で使える。月会費1080円を支払えば普通充電器を無料で使える、というものだ。


が、これはいくら何でも真剣味に欠ける。80%充電の場合、EV航続距離は市街地で40km程度と推定される。この距離はレギュラーガソリンで走っても2リットル使うかどうかというレベルである。それを324円という代金と20分という時間をかけてわざわざ充電するのは非現実的だ。しかし、だからといって、単に急速充電料金をトヨタが肩代わりするというのは、EVとの急速充電器の争奪戦を誘発する可能性が高く、うまい手とは言えない。

トヨタディーラーに急速充電器を大量に置き、トヨタのPHEV、EVユーザーには定額制ないし低廉な料金で使わせ、他社モデルのユーザーには高い料金を設定するといった策でも打たないかぎり、プリウスPHVは性能が大幅に上がろうと、自宅周辺はEV、ロングドライブはハイブリッドという旧型と同じ使用パターンに縛られる。

そのあたりの先行投資は全国のディーラーに急速充電器を置いて料金定額制でサービスを提供している日産、また日産に比べると基数は少ないが、同じく全国の販売拠点に充電器を設置し、1分5円でサービスを提供している三菱自動車のほうがずっと積極的というものだ。EVへの橋渡しとしてPHEVを普及させることが使命だと本気でトヨタが考えているなら、インフラ整備を他人任せにするのではなく、自ら積極的に手がけるなどの策が欲しいところだ。
日産 リーフ 旅放題キャンペーン 充電月額無料
➡︎◻︎日産の旅放題キャンペーン
そういった取り組みの不十分さはともかく、EVとしての性能が強化され、純EVとの競争力も飛躍的に高まったのは確かだ。トヨタはその新型プリウスPHVの販売目標について、2500台/月という高い目標を掲げている。果たして顧客が新時代のエコカーとしてどのくらい好意的に迎え入れるか、動向が興味深い。

(ジャーナリスト 井元康一郎=文)➡︎◻︎引用元プレジデント社


アウトランダーPHEV VS プリウスPHV

➡︎◻︎アウトランダーPHEVvsプリウスPHV
確かに鋭い指摘です。いいクルマを作った割には
トヨタがディーラーに急速充電器を設置していない
「様子見、タダ乗り」感をついています。
本気でこのクルマを普及させようとしてるならば、
充電器の設置を推進すべきでしょう。

当初アウトランダーPHEVが日産ディーラーで煙たがられて
いたのが、三菱ディーラーへの充電器の設置が進んで、
リーフユーザーも利用できるようになったら、解消したことに
通じます。


三菱電動車両サポートカードリーフオーナーを救う

➡︎◻︎三菱電動車両サポートカード、リーフオーナーを救う

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ホンダ 米国で発売のEV PHVは日本製。ベースは「クラリファイ」FCV

今日はホンダの北米用のEVについてです。



EVの車台はFCV向けを共用

ホンダは年内に米国で発売する電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)を日本で生産する。八郷隆弘社長が16日までに日刊工業新聞社のインタビューに応じて明らかにした。一方で「今後5年はこれまでの5年と同程度の投資を米国でする」(八郷社長)と、電動車両の現地生産などで対米投資を継続する方針。米新政権の政策動向を注視しつつ日米生産の最適化を進める。
ホンダ 新型アコード ハイブリッド

ホンダは燃料電池車(FCV)「クラリティフューエルセル」と同じプラットフォーム(車台)を採用したEVとPHVを年内に米国で投入する計画。現在、FCVは生産企画統括部・パワートレイン生産企画統括部(栃木県高根沢町)で小規模生産している。EVとPHVも同じ場所で生産して輸出する。
ホンダ クラリティFCV パワートレイン
ホンダ CLARITY FUEL CELL クラリティFCV 東京モーターショー

車台を共用するため1カ所で生産するのが効率がよいと判断した。EVとPHVは日本発売も検討している。需要によっては量産工場への移管も検討する。

一方、米国では「電動化や小型トラックの供給増に向けた投資をする」(八郷社長)方針。米国で年内に発売するハイブリッド専用車の生産や、米ゼネラルモーターズ(GM)との燃料電池システムの共同生産などを実施する。

ホンダは国内生産の維持に向け、米国向けを中心に輸出を増やしている。米トランプ大統領は日米貿易が不均衡だと公言しているが、八郷社長は米国に根付いて事業を行っていると強調した上で「まだ政策がどうなるか分からない。ルールが変わればそれを前提に努力をしていく」との認識を示した。



うーん苦しい。
独自路線を行くホンダはクラリファイまで作ったものの、
EVはどうするのかと思えば、クラリファイFCV–水素ボンベ=EV
というもので対応する様です。
これでは専用にEV、PHVを作ってくる企業には勝てない気もしますが、、、

トヨタの例を見てもHVとEVの差は大きい様です。

ホンダ FCV 東京モーターショー2015

➡︎◻︎クラリファイFCVひっそり発売

HONDA FCEV CONSEPT VS TOYOTA FCV CONSEPT

➡︎◻︎盛り上がっていた2014年当時のトヨタvsホンダFCV

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「CHAdeMO」チャデモの次期充電規格年内発表へ!充電時間が1/3の10分に?!

27日の日経にEV充電時間1/3の10分にという記事が!!
CHADEMO EV充電新規格 





電気自動車(EV)の急速充電規格の普及団体であるCHAdeMO(チャデモ)協議会は標準仕様書を7年ぶりに大幅改定する。EVの電池大容量化などに合わせて、従来の3倍にあたる最大出力150キロワットの急速充電器の製品化を可能にする。年内にも新仕様の充電器が発売される。電池容量が同じ場合、充電時間は従来の3分の1に短縮できる見通しだ。

 チャデモ協議会は2010年に最初の「CHAdeMO」規格の標準仕様書を発行し、これまでに約50メーカーの230機種を超える急速充電器を認証している。対応する車両は日産自動車のEV「リーフ」やトヨタ自動車のプラグインハイブリッド車(PHV)「プリウスPHV」など11メーカー21車種に広がっている。

 現在、市場ではチャデモ規格にのっとった最大出力50キロワットの急速充電器が日米欧などで普及している。自動車各社は1回の充電で走れる航続距離を伸ばすために車載電池の容量を増やしつつある。例えば30キロワット時の電池を搭載した最新型のリーフの場合、従来の急速充電器だと8割を充電するのに約30分かかっていた。新仕様に対応する急速充電器を使えば3分の1の10分程度で同じ量を充電できるようになる。

 日産や独フォルクスワーゲン(VW)などの自動車大手は現在の2倍前後の大容量電池を搭載したEVのコンセプト車を発表しており、今後もEVに搭載する電池の容量は拡大が続く見通し。チャデモ協議会では今後、ケーブルを液体で冷却する新たなシステムを標準仕様書に盛り込み、20年をメドに急速充電器の最大出力を現在の7倍の350キロワットまで引き上げる計画だ。

 VWなど欧米メーカーが推進する急速充電規格「コンボ」も車載電池の大容量化に対応するための大出力化を検討している。海外ではチャデモとコンボの両規格の充電コネクターを備える急速充電器も普及し始めている。チャデモ協議会では次世代仕様においても互換性を確保できるようにする考えだ。



これはいいですね。
しかしクルマの方もこれに対応しなければ
いけないのでしょう。
次期アウトランダーPHEVにはこれに対応した
急速充電プラグが搭載されるのでしょうか?
興味津々です。

CHADEMO チャデモ方式
CHADEMO チャデモ 世界10000台
➡□チャデモ方式世界のスタンダードを確保か?

車の超高速充電 EV 次世代急速充電

➡□次世代高速充電

ポルシェ ミッションe
➡□高圧充電を想定したポルシェミッションe

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アウトランダーPHEV 2017試乗記に見る電池改良で充電時間5分短縮の事実!。

WEBCGによるアウトランダーPHEV2017試乗記が
興味深いです。



三菱アウトランダーPHEVはものすごく静かに、いきなりスッと走り始めた。あまりの静かさと、電気モーター特有の、なんというか、なんのためらいもなく前に出るその出方に眠気が吹っ飛ぶ。日本人はフツウためらう。教室で答えがわかっても、すぐ手をあげない。三菱アウトランダーPHEV君は違う。わかる人、はい! そういう人を前にすると、眠いと思ってなくても、目が覚める。アウトランダーPHEV君に気負いはない。そこがスゴイ。庶民的ななりをしているのに、ロールス・ロイスもかくやの静粛性でもって堂々と走りだす。そのマナーの良さときたら、路面が平滑であれば、という限定はつくものの、ものすごくいいもの感がある。なぜスッといきなり前に出るかといえば、webCG読者の諸兄には耳にタコかもしれないけれど、電気モーターの特性ゆえである。電気モーターは1回転目から最大トルクを発生する。そういうもんなんである。フロントに横置きされる2リッターのガソリン4気筒MIVECエンジンは118ps、19.0kgmという凡庸な最高出力と最大トルクを、共に4500rpmで発生する。彼(エンジン)はこのチームにあって主役ではない。通常走行時はもっぱら発電に専念し、ホイールベース内の床下に並べられたリチウムイオン電池にエネルギーをせっせと送り込む。ご存じの方はご存じのように、2013年に登場したアウトランダーPHEVは前輪用と後輪用、2つの電気モーターで駆動する4WDである。どちらのモーターも最高出力は82psだけれど、スペースの関係で後輪用のモーターの方にゆとりがある。ゆえに最大トルクは前が14.0kgmなのに対して、後ろは19.9kgmとよりトルキーになっている。電池が満充電であれば、充電した電力だけで約60km走ることができる。日本人の一日の走行距離は平均30kmだそうだから、電気自動車(EV)として使うに十分だ。しかも、電池のエネルギーだけで最高速は100km/hに達する。アクセルをベタ踏みしない限り、ガソリンエンジンは眠ったままで、化石燃料を燃やさず、有害物質を排出することもなければ地球を温暖化することもない。高速巡航時はガソリンエンジンで走行し、追い越し時、つまりドライバーがアクセルペダルを踏み込んだ時にはエンジン走行にモーターが加勢する。減速時にはエネルギーを回生して充電につとめる。
アウトランダーPHEV 2017 試乗記

エンジンは発電して電池に電気を送る係で、駆動は電気モーターが担う、という意味では「ホンダ・アコード」のハイブリッドや「日産ノートe-POWER」等と同じだけれど、どちらもモーターは1基だし、ノートe-POWERは高速巡航時でもエンジン走行はしない。118psのエンジンに82psのモーターが2基で、いわゆるシステム出力は? と担当のエンジニア氏に問うたところ、140kW(約190ps)前後であるという大ざっぱな回答であった。複雑な制御をしているので、システム出力という概念が当てはまらないのだそうだ。試乗した印象では、車重が1920kgもあることが信じられないほど軽やかで、これほど気持ちのよいモーター駆動車は「テスラ・ロードスター」以来である、と筆者は思った。最高出力ではなくて、最大トルクを問うておくべきだった。アウトランダーPHEVは2015年にフェイスリフトを受けて、「ダイナミックシールド」と呼ばれる、なんとなく戦国時代の兜(かぶと)を思わせる現在の顔になっている。2017年2月の一部改良では、ハードウエアはそのままに、セル80個からなる電池のマネジメント制御を改良したことに特徴がある。三菱には「i-MiEV」の電池データの蓄積があり、アウトランダーPHEVには4年の経験がある。そこで、従来は安全性を考慮して絞っていた出力を解放し、坂道や高速道路での合流でもEVモードを長く維持することができるようになったという。また、充電制御の改良により、80%までの急速充電時間を30分から25分に短縮している。30分が25分になり、25分が限りなく0分に近づいていく。それが技術の進歩というものだ。5分は短い時間だけれど、電気自動車にとっては大きな進歩である(かもしれない)。さらに「EVプライオリティーモード」が新設された。その名称の通り、アクセルをベタ踏みしたときや、電池残量がホントにないときを除いて極力EVとして走り、エンジンは始動しない。ただし、冬場は暖房を入れても冷たい風が出てくるので、お気をつけください。4WDの「S-AWC」では、滑りやすい路面で使う「4WD LOCK」モードで制御の改良が図られている。前後モーターのトルク配分、ブレーキによる「アクティブヨーコントロール」を見直し、圧雪路の定常円旋回試験で30%性能が向上したという。プレスリリースを丸写ししていると話が長くなって恐縮ですが、もうひとつ、「Sエディション」なる最上級グレードが追加された。外装にダーククロームパーツを使用して全体の印象を引き締め、内装では本革シートを採用、随所に赤いステッチを施している。試乗時は見落としてしまったけれど、アクセルとブレーキ、両ペダルはアルミ製だ。見た目だけではなくて、中身の充実も図られている。リアゲート周辺とリアのホイールハウスまわりの接合部に接着剤を塗ってボディー剛性を向上させ、ビルシュタイン製のダンパーを採用した。「上質な乗り心地と優れた操縦安定性を実現しました」とリリースにある。
アウトランダーPHEV 2017 試乗記

そのSエディションに乗ってみた。試乗会ゆえ、ごく限られた時間と条件ながら、筆者は冒頭記したようにぶったまげた。「二刀流」大谷翔平もスゴイけれど、アウトランダーPHEVもスゴイ! アウトランダーPHEVは登場した2013年の時点で絶賛されていたわけだけれど、そのワケが初めてわかった。なんせ筆者は今回が初試乗だったもので……。試乗会のベースとなったのは房総半島の長柄ダムのほとりにあるリゾート施設であった。山道のすいたところを見計らって全開ベタ踏みを試みると、ブオーンとガソリンエンジンが始動する。前述したように初試乗なので、申し訳ありませんが、改良前との差はわからないけれど、エンジン音は記憶の中のアコードやノートより静かだと思った。初期加速は、冒頭に記したようにインプレッシブで目が覚める。ところが、エンジンが始動すると加速がサチュレートして、むしろ遅くなるように感じる。これはどういうことなのだろう?それは、電気モーターの特性で等加速運動をしているからだ。と三菱の担当エンジニア氏に教えてもらった。同じ割合で加速していると、スピードは増しているのに速さを感じない。それは最高速度320km/hを誇る新幹線の速さを感じないのと同じことだ。とエンジニア氏はいう。ははぁ。であるなら、ガソリンエンジンのようにモーターの初期トルクを絞ってドラマチックにしたらどうなのでしょう? 答えは以下のごとくであった。このクルマのコンセプトはSUVである。ゆえに長距離を走っても疲れないことが大切である。アウトランダーPHEVは基本的にモーターで走るからトランスミッションがない(エンジン走行の場合は1:1の直結)。ゆえにシフトショックがない。モーターの最大の特徴はスムーズな走行感覚にある。
アウトランダーPHEV 2017 試乗記

路上試験においても、アウトランダーPHEVは疲れが少ないそうだ。三菱の開発拠点である愛知県の岡崎から、エンジニア氏の故郷の長崎まで約1000km、何度も往復しているけれど、このクルマほど疲れないクルマはないという。スッスッスッと加速するから、家族も頭がふらつかない。東海環状でのテストでは、2時間ぐらいの走行で、アウトランダーPHEVと、普通のガソリンエンジンのクルマではゴールで20~30分の差がつく。PHEVは加速がいいから、飛ばさなくてもスイスイ走れる。ゆえにガソリンエンジンと同じようにモーターを制御するのではなく、モーターのいいところを生かすべきだと考えているそうだ。アウトランダーPHEVには、自動車史に残るであろう「ランエボ」を開発したエンジニアたちの多くが携わっている。前後モーターのトルク配分やブレーキの制御においては、ランエボで培ったノウハウが生かされている。Sエディションはドイツでチューニングを施し、ヨーロッパをターゲットのひとつにしている。エコカーの優遇税制のある国、イギリスやオランダ、スウェーデン等で、アウトランダーPHEVは販売好調で、昨年スウェーデンでは「ボルボXC60」よりも売れたという。XC60がモデル末期だったとはいえ、高い評価を得ていることは疑いない。基本的に新しいモノを受け付けない筆者ですらすばらしいと思ったのだから当然ともいえる。ヨーロッパの法改正もあって、世界の自動車メーカーは2020年までにPHEVをこぞって発売してくるだろう。以下は筆者の独断ながら、このツインモーターに見合ったデザインのクルマがあれば、三菱自動車にも勝機はある。燃費にゲタを履かせるのはご法度だけれど、勝負はゲタを履くまでわからない。ランエボのエンスージアズムでもって、今一度世界を制覇してほしいと願う。
アウトランダーPHEV 2017 試乗記




➡︎◻︎webcg 元記事へ

筆者このクルマに乗るのが遅すぎる気がしますが、
素直な試乗記で好感が持てます。

充電時間の5分短縮が非常に羨ましい限りです。

大谷翔平 日ハム 二刀流
日ハム 大谷 三菱アウトランダーPHEV

➡︎◻︎小生の方が先! アウトランダーPHEV二刀流説

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➡︎◻︎アウトランダーPHEV 充電時間遅い

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