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アウトランダーPHEV(2013年新発売時 初号機)乗りのブログです

液体が入ってない!? 次世代夢の安全電池「全固体電池」とは?

「全固体電池」という聞きなれない電池の開発が、
官学民共同で進めらているそうです、、。
一体どんな電池なのでしょうか?



 リチウムイオン電池は、電解液とよばれるエチレンカーボネートなどの
有機溶媒が中に詰められています。
それよりも前の世代にあたる充電池、たとえば自動車用バッテリーに
使われている「鉛蓄電池」でも希硫酸が、そしてかつての携帯電話でも
使われたニッケル水素電池でも水酸化カリウムアルカリ水溶液が
電解液に利用されています。

 今回取り上げる「全固体電池」は、液体を使わず、構成される
要素の全てが固体でできているバッテリーです。
全固体電池

 液体の電解溶液は気化しやすく、水素ガスのような非常に
燃えやすい気体であることも多いので、たとえば安全弁を設けて、
ガスを外部に放出するなど、安全装置が必要であったり、
取り扱いに注意が必要だったりします。
リチウムイオン電池のように、実用化されているものには
何重にも安全装置が設けられており、安全に使えるようになって
いるのですが、不慮の事故などがあった場合、それらの工夫にも
関わらず発火したり、悪くすると爆発を起こしたりというような
こともあり得なくはありません。

 一方、全固体電池は、原理上、そのような心配がありません。
その構成次第では、現在のリチウムイオン電池などと比べても非常に
エネルギー密度の高く、寿命の長い電池を作ることができる可能性も
あることから、全固体電池は有力な次世代、
もしくは次々世代電池の候補の1つになっています。

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が2010年に作成した
二次電池技術開発ロードマップでは、2030年ころにまでに普及すべき
革新二次電池の候補の1つとして全固体電池を挙げています。
全固体電池 リチウム空気電池

これは全固体電池の中でも電解質に無機固体を使う、無機固体電解質です。
安全でかつ小型化、高エネルギー密度も持つ、非常に優れた全固体電池として
有望視されていて、いずれは電気自動車を初めとして、大きな電力の充電を
必要とする分野に使われるようになることが期待されています。

 NEDOのロードマップでは、ノートパソコンやスマートフォンなどの
充電池は現状でもある程度満たされている、としていますが、ユーザーの
使い勝手を考えるとさらなるエネルギー密度の向上の要求があるともされており、
いずれはこれらの電池もこの全固形電池に置き換わる日が来るかもしれません。

 全固体電池が実用化されれば、多くのメリットがあります。
1つは「安全性」です。これまでの電解液を使ったリチウムイオン電池とは異なり、
電解質が気化しにくいため電池を膨張させるようなガスが発生せず、
充放電を重ねても電池の容量が非常に劣化しにくいという特徴があります。
電解液が気化しないということは、電池が発火するリスクも抑えられます。

 大きさや性能の面でもメリットがあります。リチウムイオン電池を初めと
する蓄電池では、内部で電源を直列にした状態になるよう、内部的に
いくつもの電池が構成できるように仕切りを作って複数の電池を構成し、
電圧を確保しています。この仕組みでは、内部にいくつもの区切りが必要となり、
自然と、サイズが大きくなります。

 全固体電池であれば、このようなことをせずとも、電池内部の電池の構造を
非常に小さくすることが可能です。たとえば、電解質となる物質を蒸着などの
技術を使って何層にも重ねていけば、ケースなしでも現在と同じような性能で、
なおかつ小型化したバッテリーも実現できます。エネルギー密度の向上も
可能になるでしょう。

 多くのメリットがある全固体電池ですが、実用化にはまだ多くのハードルが
あります。その中でも最も困難で、鍵となるのは、イオンが流れやすい固体の
材料(高いイオン伝導性の電解質)を見つけることでしょう。

 現在、そうした材料として、セラミックスの細かな粒や、強誘電性物質を
添加したポリマーや、イオン伝導セラミックス、また無機固体系の全固体電池の
電解質としてリン酸リチウムオキシナイトライド(通称LiPON)などの物質が
研究されています。特にLiPONは有望視されているのですが、現在の
リチウムイオン電池に使われている材料と比べると、性能はまだまだです。



当分、実現は難しそうな雰囲気でしたが、
ここにきて実現化に向けて大きく前進との報道が、、



新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の
プロジェクトに参加する京都大学などの研究グループは、
全固体電池の開発を促進する「次世代硫化物ガラス電解質の
構造解明」に成功した、と発表しました。(2016 3月)

今回、同研究グループは、酸化物ガラスよりもリチウムイオン
伝導率の高い硫化物ガラスの構造とイオン伝導の相関性について
原子・電子レベルでの解明に成功しました。

現在のリチウムイオン電池を超える全固体電池を開発するために、
リチウムイオン電池に使用されている電解液を固体電解質に変える
「全固体電池」の開発が進められています。

全固体電池の性能向上のカギになるイオン伝導のメカニズムを解明し、
リチウムイオン伝導性を高くして電池特性を向上させることが、
今回のNEDOプロジェクトの目的です。

研究の結果、ガラス電解質の骨格構造(PSx)ユニットの分極性が
キャリア(電荷担体)であるリチウムイオンの伝導に強く影響を
与えていることを発見しました。これにより、ガラス骨格構造の
分極効果を最大限に高めつつ、キャリアであるリチウムイオン濃度を
増やすことがイオン伝導率を高くするのに有効であることを
原子・電子レベルで明らかになりました。

この成果は、次世代ガラス電解質のイオン伝導性を向上させる
設計コンセプトを示すもので、新しいガラス電解質を用いた蓄電池の
大幅な性能向上につながることが期待されています。

今回の京都大学を中心とする研究グループには、
高輝度光科学研究センター、京都大学原子炉実験所、
トヨタ自動車などが加わっているということで、
開発された全固体電池が自動車に採用されれば、
EVの航続距離が延びたり、バッテリーの小型化などが期待されます。

(山内 博・画像:NEDO)




リチウムイオン電池で発火の事故を起こした
三菱やボーイングから見たら、安全な電池の開発は
心から待ち望む技術です。
2030年を待たずに実用化されると良いですね。

後で気づきました
過去に記述した
「リチウムサルファー電池」「リチウム硫黄電池」が
全固体電池なんですね。
リチウム 2次電池の進化 硫黄電池 空気電池

➡︎◻︎リチウム電池の技術進化ロードマップ


近日アップ予定。
➡︎◻︎その先に「リチウム空気電池」

次世代自動車 EV PHV
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