
特に電動車両には相性が良いようです。
太陽光だけでは当然走り続けられませんが、
その効用は高い気がします。
ここにきて自動車メーカーから車載ソーラーパネルを採用する兆しが見えている。2016年冬に発売予定のプラグインハイブリッド車(PHEV)「プリウスPHV」の新モデルでは、いよいよ駆
動用バッテリーに充電可能な「ソーラー充電システム」を搭載する。

ソーラー充電システムは3つの部品から構成されている。最大出力180Wのソーラールーフと、ソーラールーフで発電した電力を蓄電するニッケル水素バッテリー、さらに、DC/DCコンバータを内蔵し電力供給のマネジメントを行うソーラーECUである。ソーラー充電システムの効果としては、「天気の良い日に車両を1日外で充電した場合、走行可能距離は最大でも約5km。年間で平均しても1日当たり2.7kmを見込んでいる」(トヨタ自動車)ようだ。
しかし、よくよく考えてみると、プリウスPHVはPHEVである。たとえ駆動用バッテリーの電池がなくなったとしても、エンジンで走行可能である。EVであればラスト1マイルといわれるように、最後に少しでも航続距離を伸ばすことで、ユーザーにメリットを訴求できるが、PHEVとなるとそこまでの必然性は薄い。

トヨタ自動車は、そのような環境の中でもプリウスPHVに採用した。推測するに、自動車業界にとって前々からのアイデアである、「車載ソーラーパネルから駆動バッテリーへの電力供給」をどうしても実現したかったのではないだろうか。このため、他社に先駆けて車載ソーラーパネル、蓄電用ニッケル水素バッテリー、ならびにソーラーECUなどのシステム開発を行った。
多くの技術的課題、費用対効果などの経営的課題も乗り越えて、今回世界で初めて市場投入となったことに敬意を表したい。
中略
それでは、なぜ今、車載ソーラーパネルが普及の兆しを見せているのであろうか。EV、PHEVの新たな機能として見直しされていることは間違いない。しかし、先述した課題が年々改善されていることも理由と思われる。
まずはソーラーパネルの変換効率が向上してきたのが大きい。これまで太陽電池に主に採用されてきたのは結晶系で、セルの変換効率は15~20%程度であった。最近では技術革新が進み、変換効率は高いもので25%まで向上している。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2025年にセルの変換効率を30%まで改善する目標を掲げている。これ以外でもCIS系のセルで25%、また化合物系では実験段階であるがセル変換効率45%レベルまで達している。
車載用を前提とした対応も進んできた。例えば、自動車には家庭用ソーラーパネルのパワコンに相当する機能部品がないことから、プリウスPHVのようにDC-DCコンバータを内蔵するソーラーECU、いったん電力をためるソーラーバッテリーなど蓄電技術が開発されている。また、ソーラーパネル自体もルーフの曲面にもフィットするフレキシブルタイプが出てきた。ソーラーパネルの生産量拡大に伴い、コストも低下していく。
将来性は現時点で判断できない
このように、車載ソーラーパネル採用の兆しがあるものの、走行距離に対する効果を問えば、かなり限定的と言わざるを得ない。理由として、ソーラーパネルの技術革新が進むと同様に、駆動用バッテリーの進化も進んできたからである。
EVについて言えば、2010年代の一充電あたりの走行距離が150~200kmであるのに比べ、2017年以降に市場投入される予定のEVは、Tesla Motors(テスラ)の「モデル3」が345km(目標値)、General Motors(GM)の「シボレーBOLT」が320km、というように走行距離300km以上が1つの目標となっている。もしそうであれば、車載ソーラーパネルによって走行距離が3km増えたとしても、その効果は走行距離全体に占める1%にすぎない。
このため、車載ソーラーパネルの将来性は、もう少し長い目で見る必要があるのではないだろうか。NEDOが2025年をめどにセル発電効率50%に引き上げる目標を掲げており、このレベルにまでなれば発電量も多くなり使い勝手が良くなると思われる。
また、自動車メーカーは、ソーラーパネル搭載車両の販売地域も考慮する必要があろう。例えば、東京の全天日射量は年平均で約12MJ/m2レベルであるが、シンガポールやタイなどの東南アジア諸国では17~18MJ/m2である。地域によって発電量に大きな差があり、車載ソーラーパネルをどの地域で設定するかも検討の余地があろう。
→◻元記事へ
プリウスPHVのパネルは黒いデザインとしても
中々素敵なルーフでした。

→◻プリウスPHVのソーラーパネル見てきました
三菱も3年前にはコンセプトカーに太陽電池パネルありました


→◻次期RVRのルーフにソーラーパネル2013
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