PHEV ブログ

アウトランダーPHEV(2013年新発売時 初号機)乗りのブログです

プラグインハイブリッドの普及を妨げる厚い壁? 新型プリウスPHV発売で再燃

トヨタ「次世代プリウス」の普及を妨げる厚い壁 という記事が読売に。
トヨタの新型プリウスPHVの発売は、改めて電動車両の普及について
の課題が再燃する引き金になりそうな予感すら。
流石トヨタです。




トヨタ自動車は今冬、家庭で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)の新型「プリウスPHV」を日米欧で発売する。トヨタはプリウスPHVを「次世代環境車の柱」と位置付け、販売に注力する方針だが、国内では新車販売に占めるPHVの割合は電気自動車(EV)と合わせても1%に満たないのが実情だ。エコカー市場を 牽引 けんいん してきたプリウスの新型車は、日本のクルマ社会にPHVやEVが浸透するための起爆剤となり得るのか。モータージャーナリストの御堀直嗣氏が検証する。


ハウスビジョン プリウスPHV
➡︎◻︎ハウスヴィジョンで見たプリウスPHV(小生撮影)

 プリウスPHVは当初、今秋発売の予定だったが、トヨタは8月3日、発売を今冬へ延期すると発表した。同社の広報部に問い合わせたところ、「部品の一部の製造が間に合わないため」とのことであったが、満を持しての発売となりそうだ。

 トヨタは2012年に、ハイブリッドに続く次世代環境車の柱として、前型プリウスにPHVを車種追加して発売しており、日米欧を中心に累計約7万5000台(16年7月時点)を販売している。同じく12年には、三菱自動車がスポーツ用多目的車(SUV)タイプのPHV「アウトランダーPHEV」の販売を開始。こちらの販売台数は世界累計で約10万台(16年5月時点)に達している。

 輸入車では、メルセデス・ベンツが14年、最上級の「Sクラス」で、同社初のPHVを日本市場に導入した。その後、中核モデルの「Cクラス」にもPHVを車種追加した。これに続いて、フォルクスワーゲン「ゴルフ」、アウディ「A3」、BMWでは「X5」「2シリーズ・アクティブツアラー」「3シリーズ」、さらにポルシェでも「カイエン」「パナメーラ」にPHVが車種追加されるなど、ドイツの各自動車メーカーはPHVの充実度を高めている。



ハイブリッド車よりEVに近いPHV



 ところで、PHVとは、どのような自動車なのか。本当にハイブリッド車に続く「次世代環境車の柱」と言っていいのかを確認していきたい。

 PHVは、ハイブリッド車よりも搭載バッテリーの量を増やすことで、電気モーターのみで走る距離、いわゆるEVモードの走行距離を長くする仕組みを持つ。新型プリウスPHVは、モーター走行できる距離を60キロ以上と前型PHVの2倍以上に伸ばした。ただし、モーター走行を実現するためには、自宅などであらかじめバッテリーに充電する必要がある。

 これまでのハイブリッド車は、サービスステーションで給油するエンジン車とほぼ同じ使い方で、燃費性能を格段に高めた自動車と位置付けられ、消費者の使い勝手はエンジン車と何も変わらなかった。

 一方、PHVは、あらかじめバッテリーに充電することで、EVモードをより積極的に利用できる自動車であるため、EVと同様の使い方になる。つまり、エンジン車やハイブリッド車とは異なる使い勝手が求められるのである。「エンジン車→ハイブリッド車→PHV」というように、自動車の燃費性能が順次改善されていく方向にあるのは事実だが、PHVは、使い方がEVに極めて近い存在になることにより、私は、エンジン車寄りだったハイブリッド車と区別して考えている。
もう一つ、PHVは、所有者の利用の仕方によって燃費性能が大きく変わり、カタログに表記された燃費性能がほとんど意味をなさなくなる自動車でもある。


 昨年、三菱アウトランダーPHEVがマイナーチェンジをした際、三菱の相川哲郎社長(当時)は「自分でもアウトランダーPHEVを愛用し、ガソリン満タンで4000キロを走りました」と、自らの体験を紹介した。アウトランダーPHEVの燃料タンクは45リットルで、ガソリンをどのくらい使ったのかはわからないが、40リットルを使ったと仮定すると、リッター当たり100キロで走行したと計算できる。

WBS 新型アウトランダーPHEV
➡︎◻︎素晴らしい内容だったWBS三菱特集の相川元社長

 相川氏の話によれば、通勤など都内近郊での日常的な利用の時には、毎日充電を行うことでほぼモーター走行のみであり、遠出の際などにハイブリッド走行に切り替え、ガソリンを消費したのである。これは誰にでも当てはまる事例ではないが、PHVでモーター走行を多く利用すれば、何か月も給油せずに済んでしまうかもしれないことを示している。

 PHVは、モーター走行を頻繁に使うことによって、カタログに記載された燃費性能では計り知れない、優れた実燃費を実現する可能性のある自動車なのである。カタログの燃費値を超える性能を出せる自動車など、よほど特殊な運転でもしない限り、これまでのエンジン車やハイブリッド車では考えにくかった。

 また、モーター走行では、エンジン車が同じ距離を走行した場合と比べて、ランニングコストとしての電気代がガソリン代の3分の1から4分の1で済む。それだけに、モーター走行を頻繁に使えば経済的な利点も大きくなる。

 ヨーロッパでは20年以降、自動車の大小を問わず自動車メーカー平均値として、走行距離1キロ当たりのCO2排出量を95グラムまでとするCO2排出規制が実施される予定だ。この規制を達成するうえでもPHVは欠かせない車種となり、高級車や高性能車を得意とするドイツメーカーを中心にPHV化が加速度的に進んでいる。



集合住宅への充電器設置進まず



 次世代車のあり方が大きく変化するきっかけともなり得るPHVであるが、日本での普及には懸念材料もある。それは、家庭での充電に関することだ。

 PHVの利点を最大限に生かして使うためには、家庭での充電が欠かせない。ところが、マンションなどの集合住宅では、その駐車場に充電器を設置できない例が数多くみられる。というのも、集合住宅の駐車場は、住民が共同利用する場であり、そこに充電器を設置するためには、管理組合の合意が求められる。ところが、自動車に乗らない人などから「自分には関係がない」と異論が出るなど、管理組合での合意が得られない事例が現実に起きているのである。

 ある調査では、EVの販売台数の9割以上は、一戸建ての居住者が購入したものという結果がある。集合住宅の居住者は1割以下なのだ。実際、「集合住宅への充電器設置にはまだ壁が厚い」と認める自動車メーカーは多い。一方で、集合住宅の居住者でEV購入を希望する人は20%を超えているという調査結果もある。

 EVであれば、まだ走行距離などに不安を覚える消費者が多いかもしれないが、PHVの場合は、バッテリーの電気を使い切ってもハイブリッドで走り続けられる。そのため、電気切れに対する不安は払拭され、購入を希望する人がEV以上に増えると考えられる。しかし、都市部では特に、所得の多少にかかわらず集合住宅に住む人が多い。最近の新築マンションではあらかじめ駐車場に充電器を備えているところもあるが、既存の集合住宅で駐車場への充電器の設置が進まないことが、PHV販売の足かせとなる可能性は高いのである。

 もちろん、EVと違いPHVは、エンジンを利用したハイブリッド走行ができるのだから、充電しなくても走ることはできる。しかし、充電しなければ、PHVならではのモーター走行や飛躍的な燃費性能を体感できる機会が限定されてしまう。
この問題の背景には、自動車を所有しない人の、自動車の電動化の意義に対する理解が進んでいないことがあると考えられる。今後、PHVやEVの普及には、自動車の電動化について社会全体への啓発が強く求められるだろう。




国産PHVのプリウスPHVとアウトランダーPHEVは、高速道路のサービスエリアや「道の駅」などに設置されている急速充電器でも充電することができる。だが、これについても、すでに問題が生じ始めている。

国内には現在約7000か所の急速充電網が整備され、PHVやEVが普及する社会基盤は整いつつあるが……


 高速道路などの急速充電器で充電するPHVが増えた結果、EVで急速充電をしに来た人がすぐ充電できず、待たされる事態が起きている。もちろん、EVであろうがPHVであろうが、急速充電をすることは所有者の自由である。とは言え、エンジンを使ったハイブリッド走行で走り続けられる性能を備えているPHVは、急速充電しなくても給油をすれば走れるのに対し、EVは充電された電気のみでしか走れない。そのため、急速充電器がふさがっていれば待つしかない。

 「急速」といっても80%の充電に30分程度かかる。そのため、先に急速充電しているPHVのドライバーと、待たされてイライラを募らせたEVのドライバーとの間で摩擦を生じる事例がすでに起きている。
EV充電スポット 新東名 駿河沼津SA 下り

➡︎◻︎新東名駿河沼津PAでのリーフ

 こうした実情を考えると、販売力で三菱に勝るトヨタが新型PHVを発売すれば、EVとPHVの充電待ちでの摩擦が、さらに拡大する懸念がある。だが、PHVのドライバーに急速充電を控えてくれと言えるわけでもない。ここは、ドライバー同士が譲り合うといったマナーが醸成されていくか、急速充電器の数をもっと増やすしか解決の道はなさそうだ。

 国内にはすでに7000か所近い急速充電網が整備され、EVでも快適に移動できる社会基盤が整備されてきてはいるが、PHVやEVをさらに普及させるには、既存の急速充電スタンドでも複数台の充電ができるような整備を今後期待したい。

 その点、ドイツメーカーのPHVは、家庭用コンセントからの充電のみで、急速充電のための充電口は設けていない。ヨーロッパではPHV本来の使い方として、まずは自宅や仕事先、旅先などで充電しておき、移動中に電気が切れたらハイブリッド走行にする。EVのように移動途中で充電はしない、と割り切る考え方だ。

 たしかにPHVでも移動途中に急速充電を行えば、モーター走行距離が増え、燃費を大幅に改善することはできる。だが、急速充電するため30分ほど余計な時間を要してしまう。

 ヨーロッパ、特に、速度無制限の高速道路「アウトバーン」を擁するドイツでは、移動時間をいかに短くするかという効率性が重視されるため、PHVなのに途中で充電するという発想はしない。それが、ドイツ人がEVではなく、PHVを選択する理由である。そういう意味では、日本のPHVの急速充電機能は、何でもフル装備された自動車を好む日本人の嗜好しこうが表れているとも言えそうだ。

 ところで、EVも昨今では、1回の充電で400キロ近い走行距離を実現する車種が現れている。走行距離が短いというEVの欠点を解消する自動車として生まれたPHVだが、その差がなくなりつつあるのだ。PHV、EVともに、集合住宅での充電の問題を抱えながら、この先、PHVがハイブリッド車に次ぐ次世代環境車の柱となり得るのか。あるいは、消費者の購買意欲が一気にEVに移行していくのか。自動車メーカーの次世代車戦略が、改めて問われることになりそうだ。




読売の経済記者はよく調べているなあと思います。
客観的な良い記事だと思います。
ドイツ車に急速充電が付いていない理由が初めて
理解できました。成る程ね。
 プリウスPHVがたくさん高速充電器に並んでいる状態が刻一刻と
近づいてきている2016年の年末です。



三菱電動車両サポートカードリーフオーナーを救う
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➡︎◻︎2年前の年末年始のPAの混乱状態再燃か?




関東地方、今日は54年ぶりの11月に雪らしいのでご注意を
三菱アウトランダーPHEV 那須雪景色
➡︎◻︎関東大雪の14年2月
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