
ジュネーブでの三菱アウトランダーPHEV開発者インタビュー
のcarwatch版。
その雪上での走りについては、すでにCar Watch誌上でもお届け「ジェネレーション2.0に進化した三菱自動車『アウトランダーPHEV(2019年モデル試作車)』(雪上試乗)」しているが、ジュネーブショーの会場で開発に携わる三菱自動車 プロジェクトマネージメント本部 プロジェクト推進部 第三プロジェクト推進 担当マネージャー 松井孝夫氏にお会いし、新型と言ってもよいほど変更されたアウトランダーPHEV(2019年モデル)のポイントについてうかがった。

斜面に展示されたアウトランダーPHEV(2019年モデル)。ちなみに三菱自動車はこの展示方法が気に入っているようで、東京モーターショーを含め、世界中のモーターショーで斜面にイチオシのクルマが展示されている。個人的に“三菱のナナメ展示”と呼んでいる
ちなみにアウトランダーPHEVは、名称から分かるようにプラグインハイブリッド車で、2.4リッターエンジン(現行モデルは2.0リッターエンジン)と、フロントモーター、リアモーターを搭載。エンジンは主に発電に用い、フロントモーター、リアモーターを統合制御するS-AWC(Super ALL Wheel Control)によって、ツインモーター4WDを実現。さらに高速走行時は、フロントをエンジンで駆動し、リアをモーターでアシストすることで安定感と優れた燃費効率も実現するというシステムを備える。2013年に登場したプラグインハイブリッド車だが、現在においても独自性を持つ高効率なシステムであり、世界が電動化車両に舵を切るなか、改めて注目が集まっているクルマになる。
アウトランダーPHEV ジェネレーション2.0のハイブリッドシステム。2.4リッターエンジンが大きな変更点だが、バッテリーやリアモーター出力なども強化されており、S-AWCの制御も大幅に変更されているようだ
──今回ジュネーブショーに展示されたアウトランダーPHEV(2019年モデル)について、主に手を入れられた部分はどこになりますか?
松井氏:2013年にアウトランダーPHEVを発売して、その後いろいろ開発をしていたのですが、前と後ろのモーターをどのように使うか研究してきました。それ(前と後ろのモーターの使い方)によってものすごく高いポテンシャルを発揮することができます。(2013年のときに)本当に使い切れたかというと、そこまではできていませんでしたというのが正直なところです。
今回、エンジン、モーター、トランスミッション、バッテリーを一新して、初めてハードに手を入れて一気にやりました。この機会に、モーターの制御、S-AWCをかなり見直しました。2つドライビングモードを追加(「SNOW」と「SPORT」)したのもありますが、ポテンシャルの高さみたいなところを、今一度やりました。
──今回いろいろ変わっていますが、マイナーチェンジと言ってよいのですか?
松井氏:マイナーチェンジと言えば、マイナーチェンジです。一番やりたかったのはPHEVシステムを進化させて、一気によくするぞと。エンジンの排気量を(2.0リッターから2.4リッターへ)上げています。エンジンの排気量を上げると、今までエンジンは発電用に使っていたのですが、僕らの持っているモーターでの走り。スムーズでクイックで、よい走りなのですが、エンジンが“プルッ”とかかると、そこからエンジン回転が上がっていくと、ちょっと興ざめ(笑)。そのときもモーターのよい走りはあるのですが、エンジンがちょっとじゃましているぞと。
そこを2.4リッターにして、低い回転数で余裕をもって回していこうと。そうすると全体的に、すごく洗練した走りになりました。今までも持っていたのですが、モーターで走るというところの気持ちよさの領域が“ぐっと”広がりました。僕らはEV(電気自動車)から来ている、モーターで走るクルマなのです。

結局、制御とか考え方とか、2013年から発売してきて、市場でもクルマをいろいろ見てきています。そこ(制御)を本当にやれば、もっともっと行くぞと。この世代の中で、マックスまでやるんだぞと。うちのこのシステムと、ほかのコンベンショナルなエンジンにモーターを挟んだものでは、ぜんぜん乗り味が違います。
今一度、僕らのユニークなところはどこだと。モーターで走る、しかも前と後ろを自由自在にコントロールして4WDで走る。そこを本当に延ばしたクルマです。
──この2.4リッターエンジンは、アトキンソンサイクルで回っているのですが?
松井氏:はい、この2.4リッターエンジンはアトキンソンサイクルで回しています。燃費ですよね。低い回転数で。僕らは燃費の目玉と呼んでいますが、一番燃料効率のよいところを低回転にもってきて、出力はあまり追い求めずに、本当に発電機として一番よいところを狙っています。
──それでも、最後は高速域でエンジンで走ることができるのが、アウトランダーPHEVのユニークなところかなと思っています。それによって電費というか燃費の悪化も防げているようですし。
松井氏:そうですね、僕らはヨーロッパが主戦場なのです。これまで14万台くらいPHEVを販売してきているのですが、10万台がヨーロッパなのです。
日本ではありませんが、こちらでは130km/h以上の高速走行は当たり前にあるので、高速域は重視しています。ドイツではもっと出せますしね。そういうところもにらんで開発しています。
今回はですね、走りに関しては大自信作です。ものすごい力を入れて新しいシステムに対して制御を作り上げています。4WDの制御もそうですし、実はサスペンションもずいぶん力を入れています。ボディの剛性を上げた上で、サスペンションを変更しており、乗り味であるとか。乗って、“あっ”と思うようなところは、ものすごく一所懸命やっています。
だいぶ自信作です(笑)。
そうですか〜。
サスも変わってるんですね。
S−Editionですら足回りが弱点と書かれていた
現行アウトランダーPHEVですが、
今度は「走りは自信作」という事、
良さそうですね。
ちなみに「アトキンソンサイクル」って何?
と知らなかったのでWikiしてみましたら
アトキンソンサイクルは容積型内燃機関(オットーサイクル)を基礎として、圧縮比よりも膨張比を大きくして熱効率を改善した内燃機関の一種またはその理論サイクルである。ジェームズ・アトキンソン(en)により1882年に開発された。
という事でした。
燃費重視のエンジン理論の様です。
文系にはちと難しい。


➡︎◻︎バタバタした乗り味、遅れて曲がっていくクセが弱点とした現行アウトランダーPHEV評価

➡︎◻︎cartopのアウトランダーPHEV2019開発者インタビュー
のcarwatch版。
その雪上での走りについては、すでにCar Watch誌上でもお届け「ジェネレーション2.0に進化した三菱自動車『アウトランダーPHEV(2019年モデル試作車)』(雪上試乗)」しているが、ジュネーブショーの会場で開発に携わる三菱自動車 プロジェクトマネージメント本部 プロジェクト推進部 第三プロジェクト推進 担当マネージャー 松井孝夫氏にお会いし、新型と言ってもよいほど変更されたアウトランダーPHEV(2019年モデル)のポイントについてうかがった。

斜面に展示されたアウトランダーPHEV(2019年モデル)。ちなみに三菱自動車はこの展示方法が気に入っているようで、東京モーターショーを含め、世界中のモーターショーで斜面にイチオシのクルマが展示されている。個人的に“三菱のナナメ展示”と呼んでいる
ちなみにアウトランダーPHEVは、名称から分かるようにプラグインハイブリッド車で、2.4リッターエンジン(現行モデルは2.0リッターエンジン)と、フロントモーター、リアモーターを搭載。エンジンは主に発電に用い、フロントモーター、リアモーターを統合制御するS-AWC(Super ALL Wheel Control)によって、ツインモーター4WDを実現。さらに高速走行時は、フロントをエンジンで駆動し、リアをモーターでアシストすることで安定感と優れた燃費効率も実現するというシステムを備える。2013年に登場したプラグインハイブリッド車だが、現在においても独自性を持つ高効率なシステムであり、世界が電動化車両に舵を切るなか、改めて注目が集まっているクルマになる。
アウトランダーPHEV ジェネレーション2.0のハイブリッドシステム。2.4リッターエンジンが大きな変更点だが、バッテリーやリアモーター出力なども強化されており、S-AWCの制御も大幅に変更されているようだ
──今回ジュネーブショーに展示されたアウトランダーPHEV(2019年モデル)について、主に手を入れられた部分はどこになりますか?
松井氏:2013年にアウトランダーPHEVを発売して、その後いろいろ開発をしていたのですが、前と後ろのモーターをどのように使うか研究してきました。それ(前と後ろのモーターの使い方)によってものすごく高いポテンシャルを発揮することができます。(2013年のときに)本当に使い切れたかというと、そこまではできていませんでしたというのが正直なところです。
今回、エンジン、モーター、トランスミッション、バッテリーを一新して、初めてハードに手を入れて一気にやりました。この機会に、モーターの制御、S-AWCをかなり見直しました。2つドライビングモードを追加(「SNOW」と「SPORT」)したのもありますが、ポテンシャルの高さみたいなところを、今一度やりました。
──今回いろいろ変わっていますが、マイナーチェンジと言ってよいのですか?
松井氏:マイナーチェンジと言えば、マイナーチェンジです。一番やりたかったのはPHEVシステムを進化させて、一気によくするぞと。エンジンの排気量を(2.0リッターから2.4リッターへ)上げています。エンジンの排気量を上げると、今までエンジンは発電用に使っていたのですが、僕らの持っているモーターでの走り。スムーズでクイックで、よい走りなのですが、エンジンが“プルッ”とかかると、そこからエンジン回転が上がっていくと、ちょっと興ざめ(笑)。そのときもモーターのよい走りはあるのですが、エンジンがちょっとじゃましているぞと。
そこを2.4リッターにして、低い回転数で余裕をもって回していこうと。そうすると全体的に、すごく洗練した走りになりました。今までも持っていたのですが、モーターで走るというところの気持ちよさの領域が“ぐっと”広がりました。僕らはEV(電気自動車)から来ている、モーターで走るクルマなのです。

結局、制御とか考え方とか、2013年から発売してきて、市場でもクルマをいろいろ見てきています。そこ(制御)を本当にやれば、もっともっと行くぞと。この世代の中で、マックスまでやるんだぞと。うちのこのシステムと、ほかのコンベンショナルなエンジンにモーターを挟んだものでは、ぜんぜん乗り味が違います。
今一度、僕らのユニークなところはどこだと。モーターで走る、しかも前と後ろを自由自在にコントロールして4WDで走る。そこを本当に延ばしたクルマです。
──この2.4リッターエンジンは、アトキンソンサイクルで回っているのですが?
松井氏:はい、この2.4リッターエンジンはアトキンソンサイクルで回しています。燃費ですよね。低い回転数で。僕らは燃費の目玉と呼んでいますが、一番燃料効率のよいところを低回転にもってきて、出力はあまり追い求めずに、本当に発電機として一番よいところを狙っています。
──それでも、最後は高速域でエンジンで走ることができるのが、アウトランダーPHEVのユニークなところかなと思っています。それによって電費というか燃費の悪化も防げているようですし。
松井氏:そうですね、僕らはヨーロッパが主戦場なのです。これまで14万台くらいPHEVを販売してきているのですが、10万台がヨーロッパなのです。
日本ではありませんが、こちらでは130km/h以上の高速走行は当たり前にあるので、高速域は重視しています。ドイツではもっと出せますしね。そういうところもにらんで開発しています。
今回はですね、走りに関しては大自信作です。ものすごい力を入れて新しいシステムに対して制御を作り上げています。4WDの制御もそうですし、実はサスペンションもずいぶん力を入れています。ボディの剛性を上げた上で、サスペンションを変更しており、乗り味であるとか。乗って、“あっ”と思うようなところは、ものすごく一所懸命やっています。
だいぶ自信作です(笑)。
そうですか〜。
サスも変わってるんですね。
S−Editionですら足回りが弱点と書かれていた
現行アウトランダーPHEVですが、
今度は「走りは自信作」という事、
良さそうですね。
ちなみに「アトキンソンサイクル」って何?
と知らなかったのでWikiしてみましたら
アトキンソンサイクルは容積型内燃機関(オットーサイクル)を基礎として、圧縮比よりも膨張比を大きくして熱効率を改善した内燃機関の一種またはその理論サイクルである。ジェームズ・アトキンソン(en)により1882年に開発された。
という事でした。
燃費重視のエンジン理論の様です。
文系にはちと難しい。


➡︎◻︎バタバタした乗り味、遅れて曲がっていくクセが弱点とした現行アウトランダーPHEV評価

➡︎◻︎cartopのアウトランダーPHEV2019開発者インタビュー
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