
EV関連の話になると車筋のメディアよりも
日経の方が取材力があって面白いのが現実です
1月30日の日経本紙を紹介。
世界最大である中国の電気自動車(EV)用の電池市場で「2020年問題」が浮上している。EV業界の支援を続けてきた中国政府が20年に補助金を打ち切り、中国の多くの電池企業が淘汰される見通しだからだ。生き残るのは寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)など一部の大手企業のみともされる。中国景気に陰りが見える中、政府が推進してきたEVシフトにも暗雲が垂れ込める。

「中国の最近の(EV関連の)政策は、技術力の低い企業を淘汰させる方向へ切り替わった。(20年の)補助金制度が終わる前に、我々もさらに競争力を高めなければならない」。車載用電池で世界シェア3位の中国電池大手のBYD。同社の経営幹部は今、危機感を強め、こう打ち明ける。
中国政府が国策として、EVに搭載する基幹部品の車載用電池の育成強化に力を入れ始めたのは、12年ごろのこと。業界に1兆円を超える補助金を投入し、中国には数百社の電池メーカーが誕生した。一方、外資が補助金の恩恵を受けることはほぼ無かった。
補助金は巨額で、例えば、中国のEVメーカーにはEV1台を生産・販売するごとに100万円以上の補助金を支給し、電池各社には工場建設費用の多くを政府が負担した。その恩恵の先頭に立ってきたのがBYDだ。

だが、そんな中国大手のBYDでさえ、20年以降の「補助金無し」に身構える。補助金を除く実力評価では、まだパナソニックや韓国勢に地力で劣るとみられるからだ。
実際、中国政府がEV業界に多額の補助金を支給し始めた15年12月期。同社の同期の純利益は6.5倍にも膨らんだ。16年12月期も約8割増と急増した。しかし中国政府が補助金を減額し始めると、同社の17年12月期の純利益は2割減と急減。18年に政府がさらに補助金を3割減らすと、BYDの18年12月期の純利益も2~3割減と大きく減る見込みとなり、もろさを露呈している。
他社でも補助金減額の余波が広がる。18年7月には深圳市沃特瑪電池(オプティマムナノエナジー)が生産停止に陥った。同社は中国市場で17年に3位の大手だが、政府補助金の減額で経営が立ち行かなくなった。
18年1~10月期の車載用電池メーカー出荷ランキングでは10社のうち7社が中国企業で占める。だが「中国政府の後ろ盾なしにその地位はあり得ない」(日系電池メーカー)のが実態で、ランキングからは中国企業の実態はまだ見て取れない。
だが、補助金減額の嵐は止むこと無く、中国各社には2020年問題が今後待ち構える。政府は既に補助金を20年以降、ゼロとする方針を掲げており、淘汰は必至だ。
中国政府は29日、消費刺激策の一環で、EVへの補助金を拡大する方針を示したが、対象は一部車種に限られ、従来の補助金削減の方針は変わっていない。中国の電池メーカーは今後も厳しい現実にさらされる。
中国調査会社のGGIIによると中国の車載電池メーカーは17年の135社から18年には90社に減った。中国の自動車市場に詳しいみずほ銀行国際営業部の湯進主任研究員も「最終的に生き残る中国メーカーは20社程度だろう」と指摘する。
「台風で舞い上がる豚は本当に飛べるのか」
BYDと並ぶ中国大手のCATLの曽毓群会長は最近、社員にこんなメッセージを投げかける。台風とは補助金などの政府支援を指し、豚とは技術力の低い中国の電池メーカーを指す。大手の同社ですら、補助金頼みの成長から何とか脱しようと今、必死でもがく。理由は補助金の打ち切りだけではない。
20年以降に補助金が無くなれば、中国企業は政府支援を失い、真っ正面からパナソニックやLG化学といった有力外資に向き合わざるを得なくなる。そのときに本当に勝てる企業になっていられるのか。2020年は刻一刻と迫っている
2020年問題が起きているとは知りませんでした。
これだから中国政府の政策に全てをゆだねるリスクが
大きいことがわかります。
同じことは完成車メーカーにも言えることで
進出している日本企業も気が気ではないと思います。
非常に柔軟で、2枚腰、3枚腰の作戦が日本の
クルマメーカーにも求められるのかもしれません。

⇒■「世界一のEV完成車企業BYDとは」■

⇒■電動車両乗りなら知っておきたい世界最大(級)の電池メーカー「CATL」とは

⇒■2018年7月には日経は「中国EVバブル崩壊」と書いてました
日経の方が取材力があって面白いのが現実です
1月30日の日経本紙を紹介。
世界最大である中国の電気自動車(EV)用の電池市場で「2020年問題」が浮上している。EV業界の支援を続けてきた中国政府が20年に補助金を打ち切り、中国の多くの電池企業が淘汰される見通しだからだ。生き残るのは寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)など一部の大手企業のみともされる。中国景気に陰りが見える中、政府が推進してきたEVシフトにも暗雲が垂れ込める。

「中国の最近の(EV関連の)政策は、技術力の低い企業を淘汰させる方向へ切り替わった。(20年の)補助金制度が終わる前に、我々もさらに競争力を高めなければならない」。車載用電池で世界シェア3位の中国電池大手のBYD。同社の経営幹部は今、危機感を強め、こう打ち明ける。
中国政府が国策として、EVに搭載する基幹部品の車載用電池の育成強化に力を入れ始めたのは、12年ごろのこと。業界に1兆円を超える補助金を投入し、中国には数百社の電池メーカーが誕生した。一方、外資が補助金の恩恵を受けることはほぼ無かった。
補助金は巨額で、例えば、中国のEVメーカーにはEV1台を生産・販売するごとに100万円以上の補助金を支給し、電池各社には工場建設費用の多くを政府が負担した。その恩恵の先頭に立ってきたのがBYDだ。

だが、そんな中国大手のBYDでさえ、20年以降の「補助金無し」に身構える。補助金を除く実力評価では、まだパナソニックや韓国勢に地力で劣るとみられるからだ。
実際、中国政府がEV業界に多額の補助金を支給し始めた15年12月期。同社の同期の純利益は6.5倍にも膨らんだ。16年12月期も約8割増と急増した。しかし中国政府が補助金を減額し始めると、同社の17年12月期の純利益は2割減と急減。18年に政府がさらに補助金を3割減らすと、BYDの18年12月期の純利益も2~3割減と大きく減る見込みとなり、もろさを露呈している。
他社でも補助金減額の余波が広がる。18年7月には深圳市沃特瑪電池(オプティマムナノエナジー)が生産停止に陥った。同社は中国市場で17年に3位の大手だが、政府補助金の減額で経営が立ち行かなくなった。
18年1~10月期の車載用電池メーカー出荷ランキングでは10社のうち7社が中国企業で占める。だが「中国政府の後ろ盾なしにその地位はあり得ない」(日系電池メーカー)のが実態で、ランキングからは中国企業の実態はまだ見て取れない。
だが、補助金減額の嵐は止むこと無く、中国各社には2020年問題が今後待ち構える。政府は既に補助金を20年以降、ゼロとする方針を掲げており、淘汰は必至だ。
中国政府は29日、消費刺激策の一環で、EVへの補助金を拡大する方針を示したが、対象は一部車種に限られ、従来の補助金削減の方針は変わっていない。中国の電池メーカーは今後も厳しい現実にさらされる。
中国調査会社のGGIIによると中国の車載電池メーカーは17年の135社から18年には90社に減った。中国の自動車市場に詳しいみずほ銀行国際営業部の湯進主任研究員も「最終的に生き残る中国メーカーは20社程度だろう」と指摘する。
「台風で舞い上がる豚は本当に飛べるのか」
BYDと並ぶ中国大手のCATLの曽毓群会長は最近、社員にこんなメッセージを投げかける。台風とは補助金などの政府支援を指し、豚とは技術力の低い中国の電池メーカーを指す。大手の同社ですら、補助金頼みの成長から何とか脱しようと今、必死でもがく。理由は補助金の打ち切りだけではない。
20年以降に補助金が無くなれば、中国企業は政府支援を失い、真っ正面からパナソニックやLG化学といった有力外資に向き合わざるを得なくなる。そのときに本当に勝てる企業になっていられるのか。2020年は刻一刻と迫っている
2020年問題が起きているとは知りませんでした。
これだから中国政府の政策に全てをゆだねるリスクが
大きいことがわかります。
同じことは完成車メーカーにも言えることで
進出している日本企業も気が気ではないと思います。
非常に柔軟で、2枚腰、3枚腰の作戦が日本の
クルマメーカーにも求められるのかもしれません。

⇒■「世界一のEV完成車企業BYDとは」■

⇒■電動車両乗りなら知っておきたい世界最大(級)の電池メーカー「CATL」とは

⇒■2018年7月には日経は「中国EVバブル崩壊」と書いてました
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