
日本の電動化を阻んでいる固有の事情が、日本独自の軽自動車規格の存在と
狭い住宅事情と言われています。
日産と三菱が共同開発している軽自動車EVに期待する良い記述を
カートップの御堀氏が寄稿していたので、やや長文ですが転載させてもらいました。
三菱自動車が、軽EV(電気自動車)の新型を数年のうちに登場させる検討をしているという。また、生産工場への投資を行うと発表している。日産は、すでに昨年の東京モーターショーで軽EVのコンセプトカーであるIMkを公開した。

(日産・三菱軽EV予想図)
日産と三菱自は、軽自動車の開発と生産でNMKV(日産・三菱・軽・ヴィークル)という会社を通じ提携している。そこに、EVも加わることになるのではないか。
世界的に電動化の動きが勢いを増しつつあるなか、日本はそれらに比べ市場導入の動きが鈍い。ことにEVに関しては、日産と三菱自動車以外は慎重だ。たとえばホンダeは年間で1000台しか売らない。マツダMX-30もまずはマイルドハイブリッドでの導入となり、EVはリース販売に絞られるようだ。国内には、マンションなど集合住宅の管理組合問題があり、戸建て住宅に住む人以外は自宅での充電が難しい環境が改善されないこともあり、日産や三菱自動車以外のメーカーは、EVに消極的な姿勢を崩さない。

なおかつ、ダイハツとトヨタ、ホンダは、軽自動車のマイルドハイブリッドにもいまだ手を打っていない。しかし、国内での販売台数で3~4割を保持し、地域の生活を支えている軽自動車ほど電動化やEV導入による安心を充実させるべきだ。
そもそもガソリンスタンドが全国的に減少しており、ついに3万軒を切り、最大6万件以上あったときから半分以下となっているのだ。都市部は探せば見つかる可能性が残るが、地方では遠くまで行かないと給油できない事態が現実味をもちはじめている。
こうなると、何より燃費のよい軽自動車が求められるし、EVになれば自宅で充電でき、ガソリンスタンドへ行くような手間が省ける。またアパート住まいであっても、地方都市にはショッピングモールのような大型商業施設があり、そこに充電設備が設けられるようになってきている。急速充電でなく、普通充電であっても、買い物や飲食などで数時間過ごせばかなり充電できる。ほかにも、コンビニエンスストアにも充電器が備わってきている。

将来的には、アパート住まいでも、勤務先や農業協同組合など仕事先に充電設備が設けられるようになれば、自宅で充電しなくても済む。日産や三菱自動車は10年前にEVを市販した際、EVに乗る従業員や来客のために駐車場に充電コンセントをいくつも設置した。理由は、ガソリン代や電車賃を支払うより、電気代のほうが安いからだ。社員に、どんどんEVに乗ってもらったほうが通勤代という経費が会社としても安くあがるのである。
EVの車両としての課題は、リチウムイオンバッテリーの原価が高いとされる点だ。このため、スズキ、日産、三菱自以外は、マイルドハイブリッドさえ採用しない。
しかし、私は何年も前から「100km100万円軽商用EV」という案を各自動車メーカーへもちかけている。商用車をまずEV化し、その走行距離や用途に応じてリチウムイオンバッテリー搭載量を少なくし、距離も限定する。こうして販売台数を増やしていくことで、大量生産による原価低減を行おうというのである。

商用車といえどもEVになれば、振動・騒音が大幅に減り、快適なクルマになる。営業や配達、通勤など労働環境が大幅に改善されるのだ。これはある意味での働き方改革でもある。
開発に際しては、EVならではの装備をゼロから見直し、商品企画を組み立てることにより、既存の装備にこだわらないことで原価の帳尻も合うかもしれない。従来からの軽自動車をただ電動化する足し算だけでは原価は下がらない。その意味で、EVは軽自動車や登録車を問わず、新しいクルマとして開発すべきである。
なおかつ、生活を支える軽EVが自宅や職場にあれば、万一の停電や災害時に、軽EVから電気を手に入れることができ、少なくともスマートフォンやコンピュータなどの電気は確保できる。さらに、食事や冷暖房の足しになれば、数日の避難生活に耐えられるだろう。軽EVが災害に強い国土強靭化にも役立つのである。
そうした多面性を含め、軽EVこそ日本がもっとも求めるEVの姿なのだ。日産と三菱自動車への期待は、はかり知れなく大きい。
CARTOP 御堀直嗣
→■元記事に
確かに、日本にとっての軽EVは、
軽自動車の場合単なるパワートレインの追加という考えは
間違っていて、働き方改革、インフラ改革を含めた全く新しい
移動手段や商用車の形として考えるべきかもしれません。
日産・三菱に期待しましょう。
アイミーブは残念ながら役目を終了してしまいましたが、、、

➡︎□三菱アイミーブ生産終了。このクルマが果たした意義は?

➡︎□日産の新車スケジュールから三菱を考察 (軽EV発売時期予想含む)

➡︎□日産iMk 小生撮影(東京モーターショーにて)

➡︎□三菱 岡山水島製作所に軽EVライン投資
狭い住宅事情と言われています。
日産と三菱が共同開発している軽自動車EVに期待する良い記述を
カートップの御堀氏が寄稿していたので、やや長文ですが転載させてもらいました。
三菱自動車が、軽EV(電気自動車)の新型を数年のうちに登場させる検討をしているという。また、生産工場への投資を行うと発表している。日産は、すでに昨年の東京モーターショーで軽EVのコンセプトカーであるIMkを公開した。

(日産・三菱軽EV予想図)
日産と三菱自は、軽自動車の開発と生産でNMKV(日産・三菱・軽・ヴィークル)という会社を通じ提携している。そこに、EVも加わることになるのではないか。
世界的に電動化の動きが勢いを増しつつあるなか、日本はそれらに比べ市場導入の動きが鈍い。ことにEVに関しては、日産と三菱自動車以外は慎重だ。たとえばホンダeは年間で1000台しか売らない。マツダMX-30もまずはマイルドハイブリッドでの導入となり、EVはリース販売に絞られるようだ。国内には、マンションなど集合住宅の管理組合問題があり、戸建て住宅に住む人以外は自宅での充電が難しい環境が改善されないこともあり、日産や三菱自動車以外のメーカーは、EVに消極的な姿勢を崩さない。

なおかつ、ダイハツとトヨタ、ホンダは、軽自動車のマイルドハイブリッドにもいまだ手を打っていない。しかし、国内での販売台数で3~4割を保持し、地域の生活を支えている軽自動車ほど電動化やEV導入による安心を充実させるべきだ。
そもそもガソリンスタンドが全国的に減少しており、ついに3万軒を切り、最大6万件以上あったときから半分以下となっているのだ。都市部は探せば見つかる可能性が残るが、地方では遠くまで行かないと給油できない事態が現実味をもちはじめている。
こうなると、何より燃費のよい軽自動車が求められるし、EVになれば自宅で充電でき、ガソリンスタンドへ行くような手間が省ける。またアパート住まいであっても、地方都市にはショッピングモールのような大型商業施設があり、そこに充電設備が設けられるようになってきている。急速充電でなく、普通充電であっても、買い物や飲食などで数時間過ごせばかなり充電できる。ほかにも、コンビニエンスストアにも充電器が備わってきている。

将来的には、アパート住まいでも、勤務先や農業協同組合など仕事先に充電設備が設けられるようになれば、自宅で充電しなくても済む。日産や三菱自動車は10年前にEVを市販した際、EVに乗る従業員や来客のために駐車場に充電コンセントをいくつも設置した。理由は、ガソリン代や電車賃を支払うより、電気代のほうが安いからだ。社員に、どんどんEVに乗ってもらったほうが通勤代という経費が会社としても安くあがるのである。
EVの車両としての課題は、リチウムイオンバッテリーの原価が高いとされる点だ。このため、スズキ、日産、三菱自以外は、マイルドハイブリッドさえ採用しない。
しかし、私は何年も前から「100km100万円軽商用EV」という案を各自動車メーカーへもちかけている。商用車をまずEV化し、その走行距離や用途に応じてリチウムイオンバッテリー搭載量を少なくし、距離も限定する。こうして販売台数を増やしていくことで、大量生産による原価低減を行おうというのである。

商用車といえどもEVになれば、振動・騒音が大幅に減り、快適なクルマになる。営業や配達、通勤など労働環境が大幅に改善されるのだ。これはある意味での働き方改革でもある。
開発に際しては、EVならではの装備をゼロから見直し、商品企画を組み立てることにより、既存の装備にこだわらないことで原価の帳尻も合うかもしれない。従来からの軽自動車をただ電動化する足し算だけでは原価は下がらない。その意味で、EVは軽自動車や登録車を問わず、新しいクルマとして開発すべきである。
なおかつ、生活を支える軽EVが自宅や職場にあれば、万一の停電や災害時に、軽EVから電気を手に入れることができ、少なくともスマートフォンやコンピュータなどの電気は確保できる。さらに、食事や冷暖房の足しになれば、数日の避難生活に耐えられるだろう。軽EVが災害に強い国土強靭化にも役立つのである。
そうした多面性を含め、軽EVこそ日本がもっとも求めるEVの姿なのだ。日産と三菱自動車への期待は、はかり知れなく大きい。
CARTOP 御堀直嗣
→■元記事に
確かに、日本にとっての軽EVは、
軽自動車の場合単なるパワートレインの追加という考えは
間違っていて、働き方改革、インフラ改革を含めた全く新しい
移動手段や商用車の形として考えるべきかもしれません。
日産・三菱に期待しましょう。
アイミーブは残念ながら役目を終了してしまいましたが、、、

➡︎□三菱アイミーブ生産終了。このクルマが果たした意義は?

➡︎□日産の新車スケジュールから三菱を考察 (軽EV発売時期予想含む)

➡︎□日産iMk 小生撮影(東京モーターショーにて)

➡︎□三菱 岡山水島製作所に軽EVライン投資
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