
実に9年目となる3代目アウトランダーが遂に北米から2021年4月に発売されます。
(日本での発売、PHEVに関しては2月段階で未発表 各今秋、2022春との噂あり)
このクルマは三菱が2019年春にジュネーブで、秋の東京モーターショーで
展示されたコンセプトカー「三菱エンゲルベルクツアラー」を
かなり忠実に再現した仕上がりになっています。

(新型3代目アウトランダー ガソリン車北米仕様)
今日は今回公表の新型「アウトランダー(ガソリン)北米仕様2021」
発売までの経緯を追ってみます。
そして、この後追加発売される本命の新型「アウトランダーPHEV2022?」を
予想してみたいと思います。

「エンゲルベルクツアラー」について触れる前に、
ジュネーブで登場する3年前の2016年秋のパリモータショーに
三菱が展示したコンセプトカー「三菱GTーPHEVコンセプト」
について触れておかねばなりません。
今思うと今回の「新型アウトランダー2021」の基本デザインと考え方は
このクルマで示されていました。
「GT」はグランドツーリングとされていてその後のエンゲルベルク「ツアラー」
にも引き継がれています。
➡︎□2016年記述「三菱GTーPHEV concept」について

この時は未だドアが観音開きで、車高が低めでした。
しかしブラックアウトしたAピラーで屋根が浮いている様な基本デザインや、
インテリアのコンセプトがここで出来ていることがわかります。
ボディカラーはホワイトでルーフは黒に塗装されていました。

➡︎□Mitsubishi GTーPHEV concept」のディテールについての2016年記述
(クロームメッキのエッジが給電時に青く光るLEDダイナミックシールドが採用されていました)

そして小生が注目するのがこのクルマのパワートレインと基本スペックです。
モーターはフロントに1個、リアに2個の合計3個。4輪の駆動力はS-AWCが最適に制御する。EVモードでは、最大120kmのゼロエミッション走行が可能。エンジンと合わせて、最大1200km以上の走行レンジを備えている。
このトリプルモーター、EV航続距離120km、総合航続1200kmは、
今出せば世界最高峰のスペックです。
ちなみに昨年発売されて電池の供給が間に合わず受注停止となった「トヨタRAV4PHV」
は非常にこれに近い数字を叩き出し、現行アウトランダーPHEVやエクリプスクロスPHEVを
数値で凌駕しています。

➡︎□トヨタRAV4PHVはGTーPHEVを参考に作られた?現状最強レベル
三菱は、2016年に燃費不正事件で当時の中川社長が失脚、
日産ゴーン氏の支援の元益子体制でルノーを含んだ
アライアンスでの出直しを図ることになります。
このドタバタで当初の中期計画は大幅な見直しを迫られることになり、
シナジーを産む為、日産(ルノー)との共通プラットフォームを使用していくことが
決まりました。
その先鋒が「日産エクストレイルと三菱アウトランダー」の車体プラットフォーム
の共通化でした。その為この両社の看板2車種は兄弟車として生まれる運命を
担わされることになります。
時は流れて、2018年衝撃のゴーン氏失脚
翌年加藤社長に交代した年の2019年春ジュネーブに
「三菱エンゲルベルクツアラーコンセプト」が出展されます。

(写真ジュネーブでの「エンゲルベルクツアラーコンセプトMitsubishi Engelberg torer concept」)
今見ると基本のデザインコンセプトはGTーPHEVと同じですが、
ここから既に日産とのコモンモジュールを使用して開発された様に見えます。
フォグランプを内蔵したルーフボックスを背負っています。
車高が高くなりドアの観音開きはノーマルに。ボディカラーは青みがかった
メタリックシルバーでした。
但しここで残念な事に、パワートレインのスペックが低下してしまいました。
◆PHEVシステムは2.4リットルエンジン+2モーター。大容量バッテリーでEVモードの航続は70kmに
個人的に3年間非常に期待していただけに、かなりしょげたことを思い出します(笑)
半年後の11月には「エンゲルベルクツアラー」は東京モーターショー三菱ブース
に登場しました。

この時はボディカラーはメタリックグレーに塗装されていました。
幕張メッセ会場で実車を見ると本当に大きく見えて大迫力でした。
又、サイドミラーカメラの映像がドアについている異型モニター
に映っているなど、開発が進んでいるんだなと思ったのを思い出します。
➡︎□三菱エンゲルベルクツアラー2019年春ジュネーブで公開!時の記述

➡︎□2019 秋小生撮影の「三菱エンゲルベルクツアラー」

➡︎□東京モーターショーで小生撮影のエンゲルベルクツアラーの細部
そして2020年になるとテスト車のスパイショットがネット上に
アップされる様になりました。

又、アウトランダーに先がけて、兄弟車「日産ローグ(北米版エクストレイル)」が
公開販売を開始しました。

(アウトランダーよりも、タイアハウスがブラックアウトさせるなどアウトドア感を強調。)
こちらも日本での発売日やパワートレイン展開は未定。

➡□兄弟車となる日産新型エクストレイル北米版(ローグ)

そして先日(日本時間2月17日)コロナ禍のため「Amazon live」」というバーチャルイベント
で北米にて公開されたのが新型3代目「アウトランダー(ガソリン)北米仕様2021」です。
(記事によっては2022との記載も)

➡︎□遂に公開!三菱新型アウトランダー(第1報)北米から今4月発売
以下に小生がまとめた北米版ガスランダーの写真記事へのリンクを貼り付けています。

➡︎三菱新型アウトランダー(北米版写真紹介その①エクステリア編へのリンク)

➡︎新型アウトランダー北米版写真紹介その②インテリア編へ

➡︎新型アウトランダー北米版写真紹介その③ファンクション編へ
さてここからが今日の本題です。
ここまで書いてきた通り5年前に既に基本コンセプトやデザインが出来上がっていたと
思える今回の「3代目フルモデルチェンジアウトランダー」ですが、
三菱の社内事情もあって大変な苦労と難局を乗り越えてここまで漕ぎ着けたと思われます。
アウトランダーチームの皆様には本当にご苦労様と申し上げたいです。
但し、もう一つ大きな仕事が残っています。
それは「新型アウトランダーPHEV」の発売です。
アウトランダーは先代から、PHEVが本家ガソリンアウトランダーを食って人気車となったので、
PHEVを主体に開発が進められてきたと思います。
敢えて言えば「ガスランダーはPHEVの前座でしかない」と言っては言い過ぎでしょうか?(笑)
電動車両に心を奪われた小生にとっては、「ガスランダーは、PHEV発売へのティザー」だと
思って楽しんでいます。(すみません笑)
早くPHEVの公開を見てみたいものです。
ここで「エンゲルベルクツアラー」と「今回のガスランダー北米版」を比較してみたいと思います。
何故ならば、「新型アウトランダーPHEV2022」用にとってあるかもしれないと思うからです。

要素①グリル形状(エンゲルベルクツアラーはグリルの上に樹脂が被っていた)
要素②LEDイルミネーション付きダイナミックシールド(PHEV充電時に青く光る)
(個人的に非常にカッコいいので採用して欲しいですが、コストアップ要素か?)
要素③ロワーガード形状と塗装。ガスは中央がブラックアウト、エンゲルベルクは縁が黒く凹みメタリック
要素④エンゲルベルクにはサイドスポイラーあり(オプションか?)
要素⑤タイアホイールのデザイン(今回のガスも良いですが)
要素⑥リアスポイラー(エンゲルベルクは全面LED、ガスはポイント)
要素⑦リアロワーガードの形状と塗装(エンゲルベルクはメタリックで水平ライン加飾)

要素⑧サイドミラーカメラの採用(これはコストの点で見送りか?)但しモニター設置可能なデザインではあります。
要素⑨センターコンソールの形状、エアコン部が垂直となりセレクターとドライブモードダイアル位置が逆に
(これは現実の使いやすさを追求したものとして実車の方が優れていると捉えます)
要素⑩サイドのボディアクセントに縦に取り付けられた「Pluginybrid EV」のメタリック加飾パネル
(個人的には非常に気に入っていたのですがこれもコストでどうか?)
要素11:ツートンカラー塗装:このクルマはAピラーがブラックアウトして(別塗装)
ルーフが宙に浮いた様なデザインの為エンゲルの様なツートンカラーがカッコいいです。
ガスランダーには単色しかありませんが、是非PHEVにはツートンカラー設定を期待したいです。
(ローグにはツートンカラー有り)
以上11点はエンゲルベルクツアラーから、実車化にあたり変更されています。
三菱はPHEVオーナーの「ガスランダーとは違うクルマに乗っている」自負心を
満足させてあげる重要性を理解していると思いますので、
何らかの「PHEV主張」を用意してくれるものと信じています(笑
①③④⑤⑥⑦と11辺りはやりやすいですね。又PHEVのプレゼンスを上げるために
当然工夫されると思います。
個人的には①のLEDイルミネーションと⑩の加飾パネルを期待したいです。
そして何と言ってもPHEVパワートレインに関しては、
「エンゲルベルクツアラー」より「GTーPHEV」に近いスペックを
期待しています。
トリプルモーター採用なら当代世界最強の走行性能を持つPHEVに躍り出ると予想します。
2月27日追記: 06ランダー→15PHEV乗り さんから
トリプルモーター採用と記載されている記事を教えて頂きました。感謝。
(コメント先のサイト)期待が高まりました。

➡︎□2020年1月記述(2021年修正)初代発売からアウトランダーフルモデルチェンジまでの経緯軌跡

➡︎□次期アウトランダーPHEVを勝手に予想する(パワートレイン編)2020年5月記述
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