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PHEV ブログ

アウトランダーPHEV乗りのブログです(自称 発売以来PHEVを最も長く乗り続けている男の1人)

衝撃!三菱OB和田氏の「PHEVは短命となり、その役目を終えるのではないか」論

三菱OBとしては、意外にもPHEVに悲観的な
ご意見がありましたのでご紹介します。
「i-MiEV(アイ・ミーブ)」プロジェクトマネージャーを
務めた経歴もある「日本電動化研究所」の和田氏の考察です。




 プラグインハイブリッド車(PHV)は、これまで規制面で優遇されてきたが、最近、逆風が吹いている。PHVはガソリン車(ハイブリッド車含む)と電気自動車(EV)の欠点を補うクルマとして、市場に受け入れられてきた。しかし、どうも風向きが変わったようにも見える。何がどう変わったのか、そして将来はどうなるのか。(日本電動化研究所代表取締役・和田憲一郎)

東京オートサロン2020 トヨタtrd モデリスタ「ANBIVALENT “RD” PURIUS PHV CONCEPT」

(写真:トヨタtrd モデリスタ「ANBIVALENT “RD” PURIUS PHV CONCEPT」
トヨタ自動車のプリウスPHVをベースに開発されたコンセプトカー。今後、PHVのフルモデルチェンジも大幅に減少しそうだ=昨年1月、幕張メッセで開かれた東京オートサロン(ブルームバーグ))

ガソリンスタンド急減

 昨年9月に米カリフォルニア州知事が「2035年に州内で販売される新型車はゼロエミッション車を義務づける」と公表したとき、ガソリン車、ハイブリッド車が廃止となることは理解するものの、筆者はPHVについても危ないのではと思った。というのは、同州のゼロエミッション車(ZEV)規制には10余りの州が追随しており、30年頃になれば、ガソリン車、ハイブリッド車が次第に販売禁止となることを見越して、多くのガソリンスタンドが廃業になるのではと思ったからである。現在、米国では約15万カ所のガソリンスタンドがあるが、30年頃にはおそらく10万カ所を下回るであろう。ということは、ユーザーがPHVを購入しようにも、近くにガソリンスタンドがなく、購入を躊躇(ちゅうちょ)することとなる。

 一方、欧州に目を転じれば、21年4月に、グリーンファイナンスに関するEU規則草案で「25年以降メーカーがPHVをサステナブル投資に分類することを禁じる」と報道された。

 まだ草案段階ではあるものの、多くの投資家は今後PHVへの投資意欲が低下することを意味する。もう一つの動きは欧州の「ライフサイクルアセスメント(LCA)規制」である。
LCA ライフサイクルアセスメント

 欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会、欧州議会、欧州連合理事会は、18年に自動車の生産やエネルギー生成、走行、廃棄、再利用などの二酸化炭素(CO2)排出量の総和を評価するLCAに関して、検討を開始することを非公式に合意した。その後、23年までに欧州議会が調査し、EUの評価方法が適切であれば、法制化することとなっている。このようなLCA規制では、PHVの場合、ガソリン車とEVの2つの機能を併せ持つため、部品点数が多く、極めて不利な状況となる。米国、欧州とも、規制面でPHVに逆風が吹いており、現在は販売好調であるものの、将来に対して暗雲が立ち込めてきたと感じている。

 さらに、PHVの将来性を裏付ける内容が、21年5月に国際エネルギー機関(IEA)の「50年脱炭素 工程表」で発表された。それによれば、全世界の新エネルギー車の販売比率では、30年時点ではPHVが約20%存在するものの、50年にはほぼなくなっている。

ハイブリッドが裏目に
Mitsubishi Engelberg Tourer Genève 2019 三菱エンゲルベルクツアラー

 PHVは、EVの走行距離が短い、充電インフラが不十分であるということを背景に、ガソリン車(ハイブリッド車含む)とEVの中間的存在として、10年前後に誕生した。最初のPHVはバッテリー容量が小さいものが多かったが、次第にEV走行を希望するユーザーの声や、米国のZEV規制で、モーターだけで走行する「EV走行距離」に応じてクレジットが供与されるということもあり、大型バッテリーを搭載する車両が増えてきた。

 一方では、EVが進化し、エネルギー密度の向上や、バッテリー容量を大型化することで航続距離を伸ばす車両が数多く出現するようになってきた。また欧米中で充電インフラに対し、超大型の予算を組むなど、政府支援の動きが活発化してきた。

 上述の環境規制やガソリンスタンドの減少により30年を過ぎる頃には、PHVのマーケット需要が一気に萎むのではないかと思われる。勝手な視点かもしれないが、PHVのフルモデルチェンジは30年までに、あと1回という状況ではないだろうか。また、米国ZEV規制では、PHVを新エネルギー車から除外することはないにしても、クレジットのスコア数を少なく抑える方向であろう。
トヨタ 新型レクサスNX PHV
(トヨタ レクサスnx PHEV)
 振り返ってみると、PHVはガソリン車とEVの2つの機能を併せ持った極めて複雑なクルマであり、開発に多大な時間と費用を費やしてきた。しかし、2つの機能を持つことが利点でもあり、また欠点になることがある。ガソリン車廃止の方向性が見え始めたことで、これからも生き延びると思われてきたPHVであるが、意外に短命となり、その役目を終えるのではないかと思えてならない。


【プロフィル】和田憲一郎 わだ・けんいちろう 新潟大工卒。1989年三菱自動車入社。主に内装設計を担当し、2005年に新世代電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」プロジェクトマネージャーなどを歴任。13年3月退社。その後、15年6月に日本電動化研究所を設立し、現職。著書に『成功する新商品開発プロジェクトのすすめ方』(同文舘出版)がある。福井県出身。
➡□元記事に




これから環境規制やSDGsの高まりで、一気に日の目を見ると思っていた
PHEVですが、和田氏によればPHEVの将来には暗雲が垂れ込めている
という事です。これは個人的に(彼が三菱OBという事もあって)
非常に衝撃の発言です。
和田氏の意見をまに受けると、PHEVは短命に終わり、
「三菱アウトランダーPHEVのモデルチェンジは、今回の次あと1回しか無い」
ということになります。

確かにBEVに比べて内燃機関を積んでいるのでCO2排出には不利です。
しかしそれはBEVと比べての話なので、内燃機関しか積んでいないクルマを
電動化する手段としては有効だと思います。
ガソリンスタンドが減ってもPHEVならば給油の回数が少ないので
そう困りません。

但しLCA視点で見てPHEVが不利であるというご意見にはハッとしました。
確かに両方の機能を積んでいるPHEVは、EVと比べて部品がてんこ盛りです。
但し、クルマは消耗品と違います。
リユースも含めて1回の使用ですぐに廃棄されるものではありません。
地球環境を考えた時はLCAよりも日々のランニング時の環境負荷を
減らせる点に注目した方が良いように思います。

正直先の事は誰にもわかりません。
小生は初期型アウトランダーPHEVを9年乗ってきました。
少し時代は先取りしすぎとも思いますが、このクルマが
自分に楽しい人生価値を与えてくれた事は間違いありません。

和田説によれば今度の次がPHEV最後のフルモデルチェンジになるかもしれません。
しかし、現状最高レベルの走行性能と、楽しいカーライフを
提供してくれると信じています。
そして内燃機関しか積んでいないクルマと比較すれば確実に
地球環境にも良いという選択肢と考えます。
電動車両の普及に大きく貢献した点や、
災害時やワクチン運搬の給電機能に社会価値がある事も
三菱OBならばPHEVの利点として触れて欲しいと思いました。

今日は、和田氏のPHEV短命論の紹介と
個人的反論をさせてもらいました。
さて2050年頃に「PHEVってあったなあ」となるのか、
一つのカテゴリーとして進化して残るのか?、、
自分はクルマという移動手段の大きな変化の波の
中にいるんだと改めて感じました。



トヨタの電動化戦略 EV PHV FCV HV

➡︎□トヨタはPHEVは残る(増える)という計画を示している


化石燃料と再生可能燃料


➡︎□日本の脱炭素社会に向けてのクルマの3大課題
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コメント


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Re: 2014 PHEV owner さんへ

コメントありがとうございます。共感します。
若いうちは、どうやってクルマをグレードアップ
していこうかなど妄想していたこともありましたが、
年齢を重ねると、あと何回乗り換えられるのか?
免許返納までの最後はどのクルマで終わろうか
など逆算カウントダウンしてしまいますね。(笑)
そういう意味ではPHEVは新しいクルマの選択肢を
提供してくれた意味で楽しいですね。
先は置いておいて、その日一日の運転を楽しみたいものです。
PS JAF見ておきます

gieron | URL | 2021-06-29(Tue)05:57 [編集]


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| | 2021-06-26(Sat)22:48 [編集]