
日経にビジネス紙らしいアウトランダーPHEVの記事が
掲載されていましたので紹介します。
三菱自動車は12月に主力車「アウトランダー」のプラグインハイブリッド車(PHV)を発売する。加藤隆雄社長が走行性能を「ランエボに近い」と語るなど、車そのものは近年にない完成度となった。ただし同社の課題は、長年の不振で定着した販売力の弱さだ。新型アウトランダーの販売は、米国や日本市場での挽回をかけた「背水の陣」で挑む。

「最上級」に多くの注文
「久しぶりに自分でも欲しいと思えた車だ。さっそく注文した」。東日本三菱自動車販売(東京・目黒)の関係者は、こう話す。同社は10月29日時点で500台以上を受注した。最上級の「P」グレードの注文が多く、従来より若い顧客層からの問い合わせが増えたことに手応えを感じている。

(上がGグレード下がPグレード)
日産自動車との協業が商品力を高めた。すでに新型車のプロジェクトが始まっていた2016年に三菱自が日産の傘下に入り、急きょ仏ルノーを含む3社連合の共通車台を使って日産の技術も取り入れることが決まった。軽自動車を除く初の本格的な協業で開発工数が増え、一部でコストもかさんだ。それでも日産の進んだ運転支援技術「プロパイロット」などを活用できたことで、全体ではプラスに働いた。
加藤社長は「今の当社の車では最も『ランサーエボリューション』に近い」と話し、アウトランダーの走行性能は往年の名スポーツ車に迫ると評価する。電池を床下に積むため重心が下がるPHVの特徴と、三菱自の四駆制御技術をうまく組み合わせられた。
しかし自己評価が高くても、売れなければ業績は上向かない。三菱自にとって、販売の量と質を改善することが最大の課題だ。

米国が最大市場
これまで同社はPHVの7割を欧州で販売してきた。だが構造改革の一環で20年夏に欧州への新車投入を凍結し、アウトランダーも原則として販売しない。そこで加藤社長が最大市場とみるのが米国だ。今回、サイズを一回り大きくしたのも米国市場をにらんでいる。
米国は三菱自にとって「鬼門」だ。北米での営業利益は21年3月期までの5年間で3度の赤字を計上し、黒字額の合計もわずか45億円にとどまる。過去には北米で無理に販売を伸ばそうとしたことが経営危機の一因になった。15年にイリノイ州の工場を閉鎖し、幹部は「いつまで米国で販売を続けられるかわからない」と語る。長年の販売低迷でディーラー網も弱っている。
新型「アウトランダー」にかかる期待は大きい
米国事業の立て直しは急務だ。三菱自の主力である東南アジア市場は新型コロナウイルス感染拡大の影響が生産・販売に残る。円安もあって米国販売が業績の改善に直結する。しかし米国では大型のガソリン車が人気で、電動車が売れるかは未知数だ。同社の米国でのPHVの販売は年間2千台前後にとどまり、カナダよりも少ない。アウトランダーで新市場を開拓できるかは、今後の米国戦略を左右する。
日本での販売不振も深刻だ。三菱自の国内販売でのシェアは4~9月に1.8%にとどまり、販売台数は3万3716台にとどまる。人気車の少なさから販売店も安売りに慣れている。加藤社長も「販売力が弱く、利益水準も低い。販売台数が落ちて厳しい状況だった」と認める。
今は巻き返しの好機といえる。半導体不足で他社の競合車種の納期が相次ぎ延びているためだ。東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリストは「日米など先進国での販売を回復する最後のチャンスだ。作れば売れそうなだけに、半導体部品を優先してアウトランダーに回すべきだ」と指摘する。日米ともにアウトランダーで優良顧客層を獲得できれば、他の車種にも好循環が及ぶ。
「最終的に旧型車の数字を超えるのが目標だ」。10月28日に開いた記者会見で加藤社長は、こう表明した。PHVで19年度に記録した年間の世界販売4万7千台を上回るのが当面のハードルで、当時3万4千台を占めた欧州市場抜きでこの数字を目指す。アウトランダーで目標を達成できなければ、30年に電動車の販売比率を5割(20年度は8%)に高める目標の実現は難しい。

(この欧州の人気を欧州抜きで目指すハードルは高い)
問われる総合力
電気とエンジンを併用するPHVをいつまで販売できるかも悩みのタネだ。欧州連合(EU)では35年以降、PHVも含め内燃機関を搭載する車を売れなくなる可能性がある。米国ではバイデン政権の「電動車」にPHVが含まれたが、EV重視にかじを切る国が増えるなか、各地でPHVへの税優遇などは減っていく見通しだ。
加藤社長はPHVの「寿命」を「30年ごろまでは大丈夫だと考えている」と述べたうえで「欧州の規制強化が世界にどう影響するか。どう転んでもいいように構える」とする。
11月に軽自動車の減産を予定するなど、三菱自にも半導体不足の影響は続く。部品を優先的にアウトランダーに回して生産を安定させ、販売不振の脱却につなげられるか。販売会社は「顧客は三菱なら納車が比較的早いと期待している。この車で納期が延びれば、販売が鈍る」と懸念する。生産から販売まで、三菱自の総合力が試されることになる。
(山田遼太郎)
➡□元記事に
「Pグレード人気、従来より若い人からの問い合わせが大きい」は良いですね!
一方で欧州で販売しないのは本当に勿体ないように思います。
今世界でこのクルマを買いたいのは欧州のアウトランダーPHEVファンだと思います。
ルノーが三菱のPHEVパワートレインを積んだクルマを出すのかもしれませんが、
アウトランダーブランドが後退するのが惜しい気がします。
「PHEVは2030年ぐらいまでは大丈夫」という発言も気になります。
自分も次の乗り換えはBEVになるのかなあ?、
そうなると新型アウトランダーPHEVは自身の最後の内燃機関車
になるのかもしれないと思ったりもするご発言です。

➡︎□ルノー新型カジャーPHEV?
掲載されていましたので紹介します。
三菱自動車は12月に主力車「アウトランダー」のプラグインハイブリッド車(PHV)を発売する。加藤隆雄社長が走行性能を「ランエボに近い」と語るなど、車そのものは近年にない完成度となった。ただし同社の課題は、長年の不振で定着した販売力の弱さだ。新型アウトランダーの販売は、米国や日本市場での挽回をかけた「背水の陣」で挑む。

「最上級」に多くの注文
「久しぶりに自分でも欲しいと思えた車だ。さっそく注文した」。東日本三菱自動車販売(東京・目黒)の関係者は、こう話す。同社は10月29日時点で500台以上を受注した。最上級の「P」グレードの注文が多く、従来より若い顧客層からの問い合わせが増えたことに手応えを感じている。

(上がGグレード下がPグレード)
日産自動車との協業が商品力を高めた。すでに新型車のプロジェクトが始まっていた2016年に三菱自が日産の傘下に入り、急きょ仏ルノーを含む3社連合の共通車台を使って日産の技術も取り入れることが決まった。軽自動車を除く初の本格的な協業で開発工数が増え、一部でコストもかさんだ。それでも日産の進んだ運転支援技術「プロパイロット」などを活用できたことで、全体ではプラスに働いた。
加藤社長は「今の当社の車では最も『ランサーエボリューション』に近い」と話し、アウトランダーの走行性能は往年の名スポーツ車に迫ると評価する。電池を床下に積むため重心が下がるPHVの特徴と、三菱自の四駆制御技術をうまく組み合わせられた。
しかし自己評価が高くても、売れなければ業績は上向かない。三菱自にとって、販売の量と質を改善することが最大の課題だ。

米国が最大市場
これまで同社はPHVの7割を欧州で販売してきた。だが構造改革の一環で20年夏に欧州への新車投入を凍結し、アウトランダーも原則として販売しない。そこで加藤社長が最大市場とみるのが米国だ。今回、サイズを一回り大きくしたのも米国市場をにらんでいる。
米国は三菱自にとって「鬼門」だ。北米での営業利益は21年3月期までの5年間で3度の赤字を計上し、黒字額の合計もわずか45億円にとどまる。過去には北米で無理に販売を伸ばそうとしたことが経営危機の一因になった。15年にイリノイ州の工場を閉鎖し、幹部は「いつまで米国で販売を続けられるかわからない」と語る。長年の販売低迷でディーラー網も弱っている。
新型「アウトランダー」にかかる期待は大きい
米国事業の立て直しは急務だ。三菱自の主力である東南アジア市場は新型コロナウイルス感染拡大の影響が生産・販売に残る。円安もあって米国販売が業績の改善に直結する。しかし米国では大型のガソリン車が人気で、電動車が売れるかは未知数だ。同社の米国でのPHVの販売は年間2千台前後にとどまり、カナダよりも少ない。アウトランダーで新市場を開拓できるかは、今後の米国戦略を左右する。
日本での販売不振も深刻だ。三菱自の国内販売でのシェアは4~9月に1.8%にとどまり、販売台数は3万3716台にとどまる。人気車の少なさから販売店も安売りに慣れている。加藤社長も「販売力が弱く、利益水準も低い。販売台数が落ちて厳しい状況だった」と認める。
今は巻き返しの好機といえる。半導体不足で他社の競合車種の納期が相次ぎ延びているためだ。東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリストは「日米など先進国での販売を回復する最後のチャンスだ。作れば売れそうなだけに、半導体部品を優先してアウトランダーに回すべきだ」と指摘する。日米ともにアウトランダーで優良顧客層を獲得できれば、他の車種にも好循環が及ぶ。
「最終的に旧型車の数字を超えるのが目標だ」。10月28日に開いた記者会見で加藤社長は、こう表明した。PHVで19年度に記録した年間の世界販売4万7千台を上回るのが当面のハードルで、当時3万4千台を占めた欧州市場抜きでこの数字を目指す。アウトランダーで目標を達成できなければ、30年に電動車の販売比率を5割(20年度は8%)に高める目標の実現は難しい。

(この欧州の人気を欧州抜きで目指すハードルは高い)
問われる総合力
電気とエンジンを併用するPHVをいつまで販売できるかも悩みのタネだ。欧州連合(EU)では35年以降、PHVも含め内燃機関を搭載する車を売れなくなる可能性がある。米国ではバイデン政権の「電動車」にPHVが含まれたが、EV重視にかじを切る国が増えるなか、各地でPHVへの税優遇などは減っていく見通しだ。
加藤社長はPHVの「寿命」を「30年ごろまでは大丈夫だと考えている」と述べたうえで「欧州の規制強化が世界にどう影響するか。どう転んでもいいように構える」とする。
11月に軽自動車の減産を予定するなど、三菱自にも半導体不足の影響は続く。部品を優先的にアウトランダーに回して生産を安定させ、販売不振の脱却につなげられるか。販売会社は「顧客は三菱なら納車が比較的早いと期待している。この車で納期が延びれば、販売が鈍る」と懸念する。生産から販売まで、三菱自の総合力が試されることになる。
(山田遼太郎)
➡□元記事に
「Pグレード人気、従来より若い人からの問い合わせが大きい」は良いですね!
一方で欧州で販売しないのは本当に勿体ないように思います。
今世界でこのクルマを買いたいのは欧州のアウトランダーPHEVファンだと思います。
ルノーが三菱のPHEVパワートレインを積んだクルマを出すのかもしれませんが、
アウトランダーブランドが後退するのが惜しい気がします。
「PHEVは2030年ぐらいまでは大丈夫」という発言も気になります。
自分も次の乗り換えはBEVになるのかなあ?、
そうなると新型アウトランダーPHEVは自身の最後の内燃機関車
になるのかもしれないと思ったりもするご発言です。

➡︎□ルノー新型カジャーPHEV?
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