
EV電動車両が「来る来る」と言われ続けて早数年が経っているように思います。
日本は、中国やEUと違って実際にはあまり売れないというのが従来でしたが、
ここにきて遂にブレイクの兆しが伺えます。
日経はそれを捉えて、「2022年日本のEV元年」説を唱えています。
日本の完成車メーカーは世界で進むEV化の流れに乗り遅れているのではないかという報道を多く見かけるようになった。しかし、「EV化に出遅れた日本の完成車メーカー」というイメージは2022年から徐々に変わっていきそうだ。2020年は、新型コロナウイルス禍で自動車販売が低迷する中、EUと中国ではEVの年間販売台数が130万台を超えるなど、クルマの電動化が大きく進展した。これに2年遅れる形で、前述のようにいよいよ日本でも、2022年は本格的な「EV元年」を迎えると筆者は考えている。その理由は2つだ。

(軽EV予想図)
1つは、日産自動車と三菱自動車が共同開発した軽EVを2022年春に発売することだ。ベース車種の価格は補助金込みで200万円を切る水準に設定されると見られる。軽自動車といえども装備によっては200万円を超えることはもはや珍しくないので、ユーザーはそれほど割高とは感じないのではないか。問題は、価格を抑えるために電池容量は20kWhと限られ、航続距離も170km程度と予想されていることだ。これは、現代のEVとしてはかなり短いように見える。
しかし、実際には問題になることは少ないと考えられる。軽自動車は日常の足として使われることが多く、長い航続距離を求められる場面は少ないからだ。また保有車両に占める軽自動車の比率が高いのは地方であり、こういった地域では1世帯で複数の車を保有する場合がほとんどだ。従って、仮に軽EVを購入したとしても、遠距離移動のときはエンジン車と、使い分けることになるだろう。

(東京オートサロンに出展お三菱ek クロス)
むしろ地方で問題になっているのはガソリンスタンドの減少だ。日本のガソリンスタンド(SS、サービスステーションと呼ばれる)数はハイブリッド車の普及やクルマの燃費向上でガソリン需要が減り続けているのに加え、後継者難も深刻で、1994年度の約6万カ所をピークに減り続け、2019年度にはついに3万カ所を割り込み、2020年度末には約2万9000カ所にまで減少している。25年で半減、ここ10年だけでも1万カ所が減少したことになる。この傾向が続けば、10年後の2030年には2万カ所を切るだろう。

こうしたSSの減少は「SS過疎」と呼ばれる現象を引き起こしている。資源エネルギー庁ではSSの数が3カ所以下の市町村を「SS過疎地」と定義しており、2021年3月末時点で全国に343市町村ある。このうち、市町村内にSSが1カ所もない地域が10町村、1カ所しかない地域が86町村、2カ所しかない地域が109市町村を占める。また2016年とやや古い調査になるが、SSまで距離が15km以上離れている地域も302市町村に及んでいる。こうした傾向は悪化することはあっても改善するとは考えにくい。だとすればこれらの地域では、家庭で充電できるEVは大いに歓迎されるはずだ。SS過疎の深刻化は日産と三菱の軽EVにとって、むしろ普及の追い風になる可能性がある。
ついにトヨタも本格参入
もう1つの追い風となりそうなのが、2022年にトヨタ自動車が本格的にEV市場に参入することだ。第1弾となる「bZ4X」は、事前に公開されたデザイン・性能についてはかなり評判がいいし、なんと言っても「トヨタがEVに参入する」ということで、EVを購入することへの一般的な抵抗感がかなり薄れるだろうと思う。

(その後トヨタは「bz4xを日本ではサブスクのみで販売するとしているが、、、果たして?)
とにかくトヨタの販売店は数が多い。EVに興味がなかった来店客でもショールームに置いてあるEVを見て実物に触れたり試乗したりする機会が増えるだろう。もう一つトヨタの参入で期待されるのがリセールバリューの安定だ。現在のエンジン車でも、トヨタ車のリセールバリューは高く、それが、トヨタ車が売れる1つの要因になっている。EVになってもその強みをトヨタが手放すとは考えにくい。
現在のEVは中古車になったときにバッテリーの残存性能が分からないのが価値低下の要因の一つになっている。トヨタは恐らく中古EVバッテリーの残存価値を評価する手法を導入するはずで、そのことが中古EVを購入するユーザーの安心感につながれば、リセールバリューも維持される。加えて言えば、2021年12月14日に豊田章男社長が16台もの市販予定EVを公開して「トヨタはEVに消極的」というイメージを払拭する会見を行ったことも、EVを購入しようとする潜在ユーザーには安心材料だ。一度販売に勢いがつけば、「EVが本当に売れるのか?」という懸念を超えてEVが日本でも普及し始めるのに、それほど時間はかからないだろう
➡︎□元記事に
トヨタの販売店にもEV充電器が設置されると聞いています。2025年までに全国5000店
期待したいです。
➡︎□トヨタ充電器の記事に
日本は、中国やEUと違って実際にはあまり売れないというのが従来でしたが、
ここにきて遂にブレイクの兆しが伺えます。
日経はそれを捉えて、「2022年日本のEV元年」説を唱えています。
日本の完成車メーカーは世界で進むEV化の流れに乗り遅れているのではないかという報道を多く見かけるようになった。しかし、「EV化に出遅れた日本の完成車メーカー」というイメージは2022年から徐々に変わっていきそうだ。2020年は、新型コロナウイルス禍で自動車販売が低迷する中、EUと中国ではEVの年間販売台数が130万台を超えるなど、クルマの電動化が大きく進展した。これに2年遅れる形で、前述のようにいよいよ日本でも、2022年は本格的な「EV元年」を迎えると筆者は考えている。その理由は2つだ。

(軽EV予想図)
1つは、日産自動車と三菱自動車が共同開発した軽EVを2022年春に発売することだ。ベース車種の価格は補助金込みで200万円を切る水準に設定されると見られる。軽自動車といえども装備によっては200万円を超えることはもはや珍しくないので、ユーザーはそれほど割高とは感じないのではないか。問題は、価格を抑えるために電池容量は20kWhと限られ、航続距離も170km程度と予想されていることだ。これは、現代のEVとしてはかなり短いように見える。
しかし、実際には問題になることは少ないと考えられる。軽自動車は日常の足として使われることが多く、長い航続距離を求められる場面は少ないからだ。また保有車両に占める軽自動車の比率が高いのは地方であり、こういった地域では1世帯で複数の車を保有する場合がほとんどだ。従って、仮に軽EVを購入したとしても、遠距離移動のときはエンジン車と、使い分けることになるだろう。

(東京オートサロンに出展お三菱ek クロス)
むしろ地方で問題になっているのはガソリンスタンドの減少だ。日本のガソリンスタンド(SS、サービスステーションと呼ばれる)数はハイブリッド車の普及やクルマの燃費向上でガソリン需要が減り続けているのに加え、後継者難も深刻で、1994年度の約6万カ所をピークに減り続け、2019年度にはついに3万カ所を割り込み、2020年度末には約2万9000カ所にまで減少している。25年で半減、ここ10年だけでも1万カ所が減少したことになる。この傾向が続けば、10年後の2030年には2万カ所を切るだろう。

こうしたSSの減少は「SS過疎」と呼ばれる現象を引き起こしている。資源エネルギー庁ではSSの数が3カ所以下の市町村を「SS過疎地」と定義しており、2021年3月末時点で全国に343市町村ある。このうち、市町村内にSSが1カ所もない地域が10町村、1カ所しかない地域が86町村、2カ所しかない地域が109市町村を占める。また2016年とやや古い調査になるが、SSまで距離が15km以上離れている地域も302市町村に及んでいる。こうした傾向は悪化することはあっても改善するとは考えにくい。だとすればこれらの地域では、家庭で充電できるEVは大いに歓迎されるはずだ。SS過疎の深刻化は日産と三菱の軽EVにとって、むしろ普及の追い風になる可能性がある。
ついにトヨタも本格参入
もう1つの追い風となりそうなのが、2022年にトヨタ自動車が本格的にEV市場に参入することだ。第1弾となる「bZ4X」は、事前に公開されたデザイン・性能についてはかなり評判がいいし、なんと言っても「トヨタがEVに参入する」ということで、EVを購入することへの一般的な抵抗感がかなり薄れるだろうと思う。

(その後トヨタは「bz4xを日本ではサブスクのみで販売するとしているが、、、果たして?)
とにかくトヨタの販売店は数が多い。EVに興味がなかった来店客でもショールームに置いてあるEVを見て実物に触れたり試乗したりする機会が増えるだろう。もう一つトヨタの参入で期待されるのがリセールバリューの安定だ。現在のエンジン車でも、トヨタ車のリセールバリューは高く、それが、トヨタ車が売れる1つの要因になっている。EVになってもその強みをトヨタが手放すとは考えにくい。
現在のEVは中古車になったときにバッテリーの残存性能が分からないのが価値低下の要因の一つになっている。トヨタは恐らく中古EVバッテリーの残存価値を評価する手法を導入するはずで、そのことが中古EVを購入するユーザーの安心感につながれば、リセールバリューも維持される。加えて言えば、2021年12月14日に豊田章男社長が16台もの市販予定EVを公開して「トヨタはEVに消極的」というイメージを払拭する会見を行ったことも、EVを購入しようとする潜在ユーザーには安心材料だ。一度販売に勢いがつけば、「EVが本当に売れるのか?」という懸念を超えてEVが日本でも普及し始めるのに、それほど時間はかからないだろう
➡︎□元記事に
トヨタの販売店にもEV充電器が設置されると聞いています。2025年までに全国5000店
期待したいです。
➡︎□トヨタ充電器の記事に
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