
経済誌は、時々カー専門誌と違う観点で、
書かれている記事が出るので興味深いです。
今日は三菱の軽EVに関する東洋経済の記事を紹介します。
電気自動車(EV)シフトの波が押し寄せる自動車業界で、2009年に世界初の量産型EV「i-MiEV(アイミーブ)」を投入したのが三菱自動車だ。軽自動車でのEVという新たな挑戦だったが、400万円を超える価格と短い航続距離(一度の充電で走れる距離)に支持は集まらず、2021年3月にひっそりと生産を終えた。
その三菱自動車が、日産自動車と共同開発した軽EVの投入に今夏乗り出す。日本市場の4割を占める軽で、EVは普及するのか。石川善太国内営業本部長に勝算と課題を聞いた。
いしかわぜんた/1968年生まれ。1991年三菱商事入社。自動車北アジア部長などを経て2020年三菱自動車入社。2021年4月から現職(記者撮影)

軽自動車はEV、大きい車はPHEV
ーー新たに発売する軽EVの位置づけは。
2009年にアイミーブを出した歴史と経験の延長線上という意味もあるが、やはり大きな要素としては環境に貢献するという視点だ。EVは車として走る部分だけを見るともちろん環境貢献が大きいが、製造段階でどれくらい二酸化炭素(CO2)を排出するかということも重要だ。
現状、日本では電池を多く積んだ車はどうしても製造段階でCO2排出量が大きい。そうした面からも、サイズの大きい車はプラグインハイブリッド(PHEV)が適しており、小型車で電池の積載量が大きくないものはEVが適切だと考えている。
アウトランダーとエクリプスクロスがPHEV、軽自動車はEVというのが最適な組み合わせとなる。軽EVが投入されれば、われわれの電動化戦略のピースが揃うことになる。

ーー5月20日に発売する軽EVは補助金込みで200万円を切る価格で出す予定です。一方で航続距離は170キロメートルとやや短い印象です。
地方を中心に、軽はあくまでもセカンドカーで日常の足だ。われわれの調査では、軽ユーザーの9割が1日の平均航続距離が50キロ未満という結果になった。データからも、このスペックで十分に使いやすいということがわかると思う。
企業の営業車についてもそこまで走行距離は長くはなく、また帰社して夜間に充電するという使い方がある。そうした想定を踏まえるとかなり幅広いニーズに応えられる。コストとのバランスを考慮して設定したのがこのスペックだ。
地方は一人1台保有という家庭も珍しくないので、例えば買い物や通勤など日常で車を使う層をターゲットにしたい。補助金が出る部分もあるので追い風になるだろうし、正確な台数は言えないが販売台数としてもかなり期待している。
ハードルを乗り越えないといけない部分はある。ただ、販売店には驚くほど引き合いが来ている。世の中が電動車への関心が高まっていることもアウトランダーのヒットから感じている。
ーーアイミーブの教訓は。

売ったEVのメンテナンスなどのアフターサービスも手がけてきたというのは何事にも代えがたい。EVを使ったことのないお客様はまだまだ大多数だ。
例えばEVではどういうことが起きるのか、家で充電するために何が必要か、充電した場合のランニングコストやメンテナンスコスト、あとは(電池に溜めた電力を住居に使用する)V2HといったEVならではのお客様の知りたいこと、困ることを一通り販売店が経験している。
ーーEVは購入するまでに説明が必要で時間がかかるとも言われます。
いま発売してお客様からそうした質問があっても対応できる。多くの販売員が知識と経験を身につけていることはわれわれにとって大きなアドバンテージになる。(同じくEVの)リーフを売ってきた日産自動車も同じだ。

販売や整備の現場で一人ひとりが的確に対応できるように教育するのはやはり手間がかかる。EVを売るにしても、この面でしばらく他社は苦労するのではないか。
高価格と低価格の二極化が始まる
ーーただ、アイミーブは販売台数がそこまで伸びませんでした。
アイミーブは航続距離も短いし、そもそも値段も高かった。この2つがやはりこなれていなくて、お客様にとっては物珍しいEVという位置づけで終わってしまった。もちろんインフラ網が整っていなかったことも大きいが、アーリーアダプターよりもさらに先進技術が大好きな極めて限られた層にしかアプローチできなかった。
ーーテスラは高級車からEVを展開しています。

上のクラスで戦おうとすると、テスラだけでなくメルセデス・ベンツやBMWなどのラグジュアリーブランドと真っ向勝負で戦わないといけない。EVを売るうえで逆のアプローチをしていきたい。
電池のコストが下がれば考え方も変わってくるが、現状ではコストと商品力を合わせて考えると両立はなかなか難しい。今後EVの販売戦略は高価格帯と低価格帯の二極化が進むのではないか。
ーートヨタ自動車はEVをサブスクリプションで展開するなど、各社の販売戦略に違いが出ています。
EVは高いですね、買えないですねというお客様にさまざまな提案をしようという中での努力だと思う。中古車価格をコントロールしたいという側面もあると思うが、ガソリン車に乗っている人にもアプローチするにはサブスクリプションなどの工夫が必要ということだろう。
われわれも軽EVについてはサブスクの対象になると思っているし、月々の支払額を引き下げるなど、求めやすい価格にできればいいと思う。ここは検討段階だが、販売手法についてはさまざまな選択肢を見ていきたい。
➡□元記事に
石川氏の言う通り、
アイミーブ発売時よりも今の方がEV普及機運は圧倒的に高いです。
更にアウトランダーPHEVのヒットでも弾みがついています。
日産と三菱は、電動車両を売るノウハウにかけては日本のディーラーで群を抜いています。
なんとか13年前のアイミーブの「すごいチャレンジだったけど、早すぎた?」
雪辱を今度の軽EVの成果で返したいものですね!。
この間の価格を約半分にできた事も多いに評価出来ると思います。
主な要因となるリチウムイオン電池の価格は、
需要の拡大とそれに伴う世界的な納入業社各社の投資努力で
劇的に下がりました。
この軽EVと同じ規格の電池が、(ブロックの積み方は異なる)
新型アウトランダーPHEVにも積まれていて、今回の圧倒的な
モーターのパワーを長時間持続できる駆動力になっています。
このEVとPHEVの両軸で回すビジネスモデルは、世界でも三菱唯一の
ものだと思います。
確かに13年経ってビジネスモデルのパーツが揃ったのが今年なのかも
しれませんね。

(同じAESC製で、同じ20kWhですが、電池セルの組み方が違うようです)

(リチウムイオン電池の価格下落トレンド)
➡□電動車両のバッテリーは、ハイエンド全固体電池、ローエンド廉価版リチウムイオン電池に2極化に

➡︎□「三菱ekクロスEV」は、何故「ekクロスミーブ」と名乗らなかったのか?について

➡︎□三菱アイミーブが消えたワケ

➡□12年間ありがとう三菱アイミーブ

➡︎□三菱i とi-MiEV の軌跡

➡︎□アイミーブ終売!その功績と意義は

➡︎◻︎アイミーブ軽から普通車登録に

今となってはガセだったと言わざるを得ませんが、、、
➡︎◻︎三菱eKを日産デイズを2020年にEV化へ

これは名作です。アウトランダーPHEVオーナーには是非見てもらいたいです。
➡︎◻︎名作ディスカバリーチャンネルの「三菱i -M i EV誕生の舞台裏」

➡︎◻︎いつかは実現して欲しい岡山大と共同開発のインホイールモーター車
書かれている記事が出るので興味深いです。
今日は三菱の軽EVに関する東洋経済の記事を紹介します。
電気自動車(EV)シフトの波が押し寄せる自動車業界で、2009年に世界初の量産型EV「i-MiEV(アイミーブ)」を投入したのが三菱自動車だ。軽自動車でのEVという新たな挑戦だったが、400万円を超える価格と短い航続距離(一度の充電で走れる距離)に支持は集まらず、2021年3月にひっそりと生産を終えた。
その三菱自動車が、日産自動車と共同開発した軽EVの投入に今夏乗り出す。日本市場の4割を占める軽で、EVは普及するのか。石川善太国内営業本部長に勝算と課題を聞いた。
いしかわぜんた/1968年生まれ。1991年三菱商事入社。自動車北アジア部長などを経て2020年三菱自動車入社。2021年4月から現職(記者撮影)

軽自動車はEV、大きい車はPHEV
ーー新たに発売する軽EVの位置づけは。
2009年にアイミーブを出した歴史と経験の延長線上という意味もあるが、やはり大きな要素としては環境に貢献するという視点だ。EVは車として走る部分だけを見るともちろん環境貢献が大きいが、製造段階でどれくらい二酸化炭素(CO2)を排出するかということも重要だ。
現状、日本では電池を多く積んだ車はどうしても製造段階でCO2排出量が大きい。そうした面からも、サイズの大きい車はプラグインハイブリッド(PHEV)が適しており、小型車で電池の積載量が大きくないものはEVが適切だと考えている。
アウトランダーとエクリプスクロスがPHEV、軽自動車はEVというのが最適な組み合わせとなる。軽EVが投入されれば、われわれの電動化戦略のピースが揃うことになる。

ーー5月20日に発売する軽EVは補助金込みで200万円を切る価格で出す予定です。一方で航続距離は170キロメートルとやや短い印象です。
地方を中心に、軽はあくまでもセカンドカーで日常の足だ。われわれの調査では、軽ユーザーの9割が1日の平均航続距離が50キロ未満という結果になった。データからも、このスペックで十分に使いやすいということがわかると思う。
企業の営業車についてもそこまで走行距離は長くはなく、また帰社して夜間に充電するという使い方がある。そうした想定を踏まえるとかなり幅広いニーズに応えられる。コストとのバランスを考慮して設定したのがこのスペックだ。
地方は一人1台保有という家庭も珍しくないので、例えば買い物や通勤など日常で車を使う層をターゲットにしたい。補助金が出る部分もあるので追い風になるだろうし、正確な台数は言えないが販売台数としてもかなり期待している。
ハードルを乗り越えないといけない部分はある。ただ、販売店には驚くほど引き合いが来ている。世の中が電動車への関心が高まっていることもアウトランダーのヒットから感じている。
ーーアイミーブの教訓は。

売ったEVのメンテナンスなどのアフターサービスも手がけてきたというのは何事にも代えがたい。EVを使ったことのないお客様はまだまだ大多数だ。
例えばEVではどういうことが起きるのか、家で充電するために何が必要か、充電した場合のランニングコストやメンテナンスコスト、あとは(電池に溜めた電力を住居に使用する)V2HといったEVならではのお客様の知りたいこと、困ることを一通り販売店が経験している。
ーーEVは購入するまでに説明が必要で時間がかかるとも言われます。
いま発売してお客様からそうした質問があっても対応できる。多くの販売員が知識と経験を身につけていることはわれわれにとって大きなアドバンテージになる。(同じくEVの)リーフを売ってきた日産自動車も同じだ。

販売や整備の現場で一人ひとりが的確に対応できるように教育するのはやはり手間がかかる。EVを売るにしても、この面でしばらく他社は苦労するのではないか。
高価格と低価格の二極化が始まる
ーーただ、アイミーブは販売台数がそこまで伸びませんでした。
アイミーブは航続距離も短いし、そもそも値段も高かった。この2つがやはりこなれていなくて、お客様にとっては物珍しいEVという位置づけで終わってしまった。もちろんインフラ網が整っていなかったことも大きいが、アーリーアダプターよりもさらに先進技術が大好きな極めて限られた層にしかアプローチできなかった。
ーーテスラは高級車からEVを展開しています。

上のクラスで戦おうとすると、テスラだけでなくメルセデス・ベンツやBMWなどのラグジュアリーブランドと真っ向勝負で戦わないといけない。EVを売るうえで逆のアプローチをしていきたい。
電池のコストが下がれば考え方も変わってくるが、現状ではコストと商品力を合わせて考えると両立はなかなか難しい。今後EVの販売戦略は高価格帯と低価格帯の二極化が進むのではないか。
ーートヨタ自動車はEVをサブスクリプションで展開するなど、各社の販売戦略に違いが出ています。
EVは高いですね、買えないですねというお客様にさまざまな提案をしようという中での努力だと思う。中古車価格をコントロールしたいという側面もあると思うが、ガソリン車に乗っている人にもアプローチするにはサブスクリプションなどの工夫が必要ということだろう。
われわれも軽EVについてはサブスクの対象になると思っているし、月々の支払額を引き下げるなど、求めやすい価格にできればいいと思う。ここは検討段階だが、販売手法についてはさまざまな選択肢を見ていきたい。
➡□元記事に
石川氏の言う通り、
アイミーブ発売時よりも今の方がEV普及機運は圧倒的に高いです。
更にアウトランダーPHEVのヒットでも弾みがついています。
日産と三菱は、電動車両を売るノウハウにかけては日本のディーラーで群を抜いています。
なんとか13年前のアイミーブの「すごいチャレンジだったけど、早すぎた?」
雪辱を今度の軽EVの成果で返したいものですね!。
この間の価格を約半分にできた事も多いに評価出来ると思います。
主な要因となるリチウムイオン電池の価格は、
需要の拡大とそれに伴う世界的な納入業社各社の投資努力で
劇的に下がりました。
この軽EVと同じ規格の電池が、(ブロックの積み方は異なる)
新型アウトランダーPHEVにも積まれていて、今回の圧倒的な
モーターのパワーを長時間持続できる駆動力になっています。
このEVとPHEVの両軸で回すビジネスモデルは、世界でも三菱唯一の
ものだと思います。
確かに13年経ってビジネスモデルのパーツが揃ったのが今年なのかも
しれませんね。

(同じAESC製で、同じ20kWhですが、電池セルの組み方が違うようです)

(リチウムイオン電池の価格下落トレンド)
➡□電動車両のバッテリーは、ハイエンド全固体電池、ローエンド廉価版リチウムイオン電池に2極化に

➡︎□「三菱ekクロスEV」は、何故「ekクロスミーブ」と名乗らなかったのか?について

➡︎□三菱アイミーブが消えたワケ

➡□12年間ありがとう三菱アイミーブ

➡︎□三菱i とi-MiEV の軌跡

➡︎□アイミーブ終売!その功績と意義は

➡︎◻︎アイミーブ軽から普通車登録に

今となってはガセだったと言わざるを得ませんが、、、
➡︎◻︎三菱eKを日産デイズを2020年にEV化へ

これは名作です。アウトランダーPHEVオーナーには是非見てもらいたいです。
➡︎◻︎名作ディスカバリーチャンネルの「三菱i -M i EV誕生の舞台裏」

➡︎◻︎いつかは実現して欲しい岡山大と共同開発のインホイールモーター車
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